此岸からの風景
<日本灯台紀行 旅日誌>オヤジの灯台巡り一人旅 長~い呟きです
2020
12/30
Wed.
12:31:02
<灯台紀行・旅日誌>2020
Category【灯台紀行 南房総編】
<灯台紀行・旅日誌>南房総編 2020#4
休憩・移動~洲崎灯台・船形漁港
灯台横の芝生広場に戻ってきた。東屋に人影はなかった。休憩しよう。広さ的には六畳くらいあるものの、縁の腰掛の幅が狭い。横になることは不可能だ。というのも、少し眠い。時間は、九時半ころだったと思う。上半身裸になって、ロンTを二枚、腰高の仕切り壁に干した。裸足になり、浅く腰かけた。足を投げ出し、目をつぶった。頭の上の方で、ぴ~ひょろひょろと聞こえた。トンビかなと思った。
ほんの数分で、姿勢を変えた。どうも座りがよくない。とてもじゃないが、眠れるような場所じゃない。でも、せめて、あと三十分くらいは、休んでいよう。これからの予定を考えた。房総半島の先端を海沿いに西へ移動。洲埼(すのさき)灯台へ行く。時間はここから三十分くらい。そのあとは、北上。また三十分くらい走って、船形平島灯台を撮りに行く。一通り撮り終えたら、すぐ戻ってくる。一時間ほどかかるだろう。野島埼灯台に戻って、海沿いの道を東へ走る。二十分ほどで安房白浜灯台に到着。明かりの具合がよければ、落日まで粘る。盛りだくさんだ。予定通りに行動できるだろうか。
とここまで考えて、頭も体もしゃんとしてきた。さほど暑くないことが幸いしていた。午前三時から動き出しているにもかかわらず、体力的にも、気力的にも、まだ全然大丈夫だった。身支度をしていると、観光客が二組、東屋にやってきた。ちらっと見た。老年の夫婦連れに、親子だろうか女性の二人連れ。人間には全く興味がなくて、印象が薄い。去り際に振り返ると、女性二人連れの若い方が、腰掛に二十センチくらいの人形を置いて、スマホで撮影している。やはり娘だったのか。一人前の女性に見えたが、無邪気なもんだ。
車に戻った。ナビを洲埼(すのさき)灯台にセットして、海沿いの道<房総フラワーライン>を走った。たしかに、道の両側にオレンジや黄色のマリーゴールドが植えてある。背の高い椰子の木も見えた。ま、それよりも目についたのは、ところどこにあった、深紅のカンナだった。気持ちのいい道だ。と、ナビに促されて、左折。マップシュミレーションで見た光景が広がった。もう着いたのか、という感じだった。
左折するとすぐ左手に、公衆便所がある。比較的きれいで、駐車スペースも二台分ある。黒い軽のバンが止まっている。運転手はいない。用を足して、ふと見ると、岬の上に灯台が見える。車からカメラを取りだして、何枚か撮る。写真的にはイマイだな。
民家が立ち並ぶ狭い道をさらに行く。<灯台下駐車場>の看板。¥200らしい。灯台入口の脇に商店がある。私設駐車場の管理者だろう。手前の駐車場がいっぱいなので、奥の商店母屋の庭のようなところに車を止めた。なぜか、住宅の工事をしている、その前だ。
商店の主らしき爺さんが出てきた。自分の後に、駐車場に入って来た車に、なにやら止め方の指図をしている。かまわず、窓から、¥200を手渡した。愛想が悪いというほどでもない。車から出た。望遠カメラ、三脚は置いていくことにした。灯台の敷地が狭いことは下調べしてあった。カメラ一台を首から下げ、いざ出発。
商店横の階段を登った。登り始めてすぐに、商店母屋の屋根の上に、ブルーの土嚢がたくさん置いてあるのが見えた。ちょっとピンとこなかった。両脇は木立、だが、すぐに灯台が見えた。と、上の方に何人か、階段で待機している。要するに、すれ違い出来ないので、自分のことを待ってくれているわけだ。脇を通る際<すいません>と声をかけた。
灯台の敷地に入った。目の前の灯台がある。その横を、というか前をすり抜けると、ちょっとした広場になる。緑の芝生が鮮やかだ。もっとも、さほど広くはない。かろうじて、灯台が写真の画面におさまるくらいの広さだ。それよりも、予想以上に人が多い。たしかに、東側以外は、ぐるっと海に囲まれていて、展望はいい。それに日曜日ということもある。だが、これほどまでに観光客が絶えないのは、なぜなのか。ちょっと首をかしげた。
敷地の端に、二畳ほどの木製バルコニーがある。方角の案内板も設置されている。灯台見物に来た人は、必ず、そこに上がって、周りを見回す。バルコニーは広場をはさんで、灯台と正対している。記念写真を撮るにはよい場所だ。自分も最初は、そこで撮った。だが、行き帰りの観光客が、灯台の前でけっこう長居する。おちおち撮っていられない。狭いバルコニーをいつまでも占拠しているわけにもいかず、しかたなく、ほかの観光客に場所を譲った。
洲埼灯台と、先日行った剱埼灯台はペア灯台らしい。つまり、東京湾の入り口を、それぞれ房総半島と三浦半島から照らしているわけだ。頭の中で関東地方の地図を思い浮かべた。なるほどと思った。だが、現地では、どうも方向がよくわからなかった。バルコニーの方角案内板で富士山の方向を確かめた。目を凝らすと、何やらそれらしいものが見えた。いや、雲だったのかもしれない。ま、とにかく、富士山が見えるということは、こっちが西側かな?なんだか、ますますわからなくなった。
相変わらず、観光客は絶え間ない。ほとんどのみなさんが、長時間の滞在はしないのだけれど、あとからあとからなので、まったく撮影にならない。空模様もイマイチで、陰る時間帯の方が多い。撮影画像で、滞在時間を調べたら、それでも四十分くらい居たことになる。まあ~、粘った方だ。明日もあるということで、灯台を後にした。
階段を下ったときに、また、屋根の上のブルーの土嚢袋が目に入った。・・・昨年の台風で被害を受けたのだ。それが、一年近くたっても修繕されず、応急処置のままなのだろう。経済的な問題なのか、それとも修理業者が足りないのか、いずれにしても、また台風の季節になる。自分だったら、気が気ではない。
駐車場に戻った。依然として、あとからあとから、観光客が来る。ちょっと走って、さっき寄った公衆トイレの駐車場に車を止めめ、用を足した。ナビを船形平島灯台にセットして、また走りだした。道は、一応<房総フラワーライン>なのだが、民家が立て込んできて、さほどよろしくない。ただし、左手が海岸なので、見通しはいい。
そのうち館山の市街地に入った。海岸沿いの道に広い駐車場がいくつもある。観光地になっている。館山の駅にも近いようだ。波が穏やかなので、サーフィンではなく、ジェットスキーのスポットらしい。それ用のトレーラーをくっ付けている車が多い。ナビの画面から推測して、左カーブしている砂浜の向こうに、目指す灯台がありそうだ。
にぎやか場所を通り過ぎると、じきに<船形>の信号。左折して、漁港に入って行った。ナビの案内はここで終了。ゆっくり走りながら、漁港の中を覗きこんだ。比較的広々していて、人影はない。立ち入り禁止の看板もなく、ロープも張っていない。小山になった巻き網が、係船岸壁沿いに並んでいる。その手前に、車が何台か距離をあけて止まっている。釣り人の車だろう。大丈夫そうだ。空いているところに、適当に車を止めて、外に出た。
撮影画像で確認したところ、船形漁港の防波堤灯台を撮り始めたのは、十二時ころだった。雲は多いものの、日ざしはあった。ただ、トップライトの、逆光になっていて、写真的には、きれいに撮れない。時間がよくないな。だが、日が傾くまで待つわけにもいかない。頭の中で、明日の予定を算段した。もう少し早い時間に来れば、今日よりはきれいに撮れるかもしれない。
撮るのあっさり諦めた。戻ろう。引き上げ際に、漁港の右端にある、二本の大きなクレーンが目にとまった。造船所なのか。なぜかそこだけが青空だった。寂れかけた感じがいい。迷わず、一枚だけ撮った。
ちなみに、正式には、海に向かって左側の、真ん中のくびれた赤い方が、船形港東防波堤灯台、右側の角ばった白い方が船形港西灯台だった。だがこの時、何を勘違いしていたのか、赤い方の防波堤灯台を船形平島灯台だと思い込んでいた。あとで勘違いに気づいて、がっくりした。そういえば、学校のテストでも、同じようなことをよくしていた。思い込みが強くて、失敗したり、痛い目を見たことが、思えば、多々あったような気がする。






休憩・移動~洲崎灯台・船形漁港
灯台横の芝生広場に戻ってきた。東屋に人影はなかった。休憩しよう。広さ的には六畳くらいあるものの、縁の腰掛の幅が狭い。横になることは不可能だ。というのも、少し眠い。時間は、九時半ころだったと思う。上半身裸になって、ロンTを二枚、腰高の仕切り壁に干した。裸足になり、浅く腰かけた。足を投げ出し、目をつぶった。頭の上の方で、ぴ~ひょろひょろと聞こえた。トンビかなと思った。
ほんの数分で、姿勢を変えた。どうも座りがよくない。とてもじゃないが、眠れるような場所じゃない。でも、せめて、あと三十分くらいは、休んでいよう。これからの予定を考えた。房総半島の先端を海沿いに西へ移動。洲埼(すのさき)灯台へ行く。時間はここから三十分くらい。そのあとは、北上。また三十分くらい走って、船形平島灯台を撮りに行く。一通り撮り終えたら、すぐ戻ってくる。一時間ほどかかるだろう。野島埼灯台に戻って、海沿いの道を東へ走る。二十分ほどで安房白浜灯台に到着。明かりの具合がよければ、落日まで粘る。盛りだくさんだ。予定通りに行動できるだろうか。
とここまで考えて、頭も体もしゃんとしてきた。さほど暑くないことが幸いしていた。午前三時から動き出しているにもかかわらず、体力的にも、気力的にも、まだ全然大丈夫だった。身支度をしていると、観光客が二組、東屋にやってきた。ちらっと見た。老年の夫婦連れに、親子だろうか女性の二人連れ。人間には全く興味がなくて、印象が薄い。去り際に振り返ると、女性二人連れの若い方が、腰掛に二十センチくらいの人形を置いて、スマホで撮影している。やはり娘だったのか。一人前の女性に見えたが、無邪気なもんだ。
車に戻った。ナビを洲埼(すのさき)灯台にセットして、海沿いの道<房総フラワーライン>を走った。たしかに、道の両側にオレンジや黄色のマリーゴールドが植えてある。背の高い椰子の木も見えた。ま、それよりも目についたのは、ところどこにあった、深紅のカンナだった。気持ちのいい道だ。と、ナビに促されて、左折。マップシュミレーションで見た光景が広がった。もう着いたのか、という感じだった。
左折するとすぐ左手に、公衆便所がある。比較的きれいで、駐車スペースも二台分ある。黒い軽のバンが止まっている。運転手はいない。用を足して、ふと見ると、岬の上に灯台が見える。車からカメラを取りだして、何枚か撮る。写真的にはイマイだな。
民家が立ち並ぶ狭い道をさらに行く。<灯台下駐車場>の看板。¥200らしい。灯台入口の脇に商店がある。私設駐車場の管理者だろう。手前の駐車場がいっぱいなので、奥の商店母屋の庭のようなところに車を止めた。なぜか、住宅の工事をしている、その前だ。
商店の主らしき爺さんが出てきた。自分の後に、駐車場に入って来た車に、なにやら止め方の指図をしている。かまわず、窓から、¥200を手渡した。愛想が悪いというほどでもない。車から出た。望遠カメラ、三脚は置いていくことにした。灯台の敷地が狭いことは下調べしてあった。カメラ一台を首から下げ、いざ出発。
商店横の階段を登った。登り始めてすぐに、商店母屋の屋根の上に、ブルーの土嚢がたくさん置いてあるのが見えた。ちょっとピンとこなかった。両脇は木立、だが、すぐに灯台が見えた。と、上の方に何人か、階段で待機している。要するに、すれ違い出来ないので、自分のことを待ってくれているわけだ。脇を通る際<すいません>と声をかけた。
灯台の敷地に入った。目の前の灯台がある。その横を、というか前をすり抜けると、ちょっとした広場になる。緑の芝生が鮮やかだ。もっとも、さほど広くはない。かろうじて、灯台が写真の画面におさまるくらいの広さだ。それよりも、予想以上に人が多い。たしかに、東側以外は、ぐるっと海に囲まれていて、展望はいい。それに日曜日ということもある。だが、これほどまでに観光客が絶えないのは、なぜなのか。ちょっと首をかしげた。
敷地の端に、二畳ほどの木製バルコニーがある。方角の案内板も設置されている。灯台見物に来た人は、必ず、そこに上がって、周りを見回す。バルコニーは広場をはさんで、灯台と正対している。記念写真を撮るにはよい場所だ。自分も最初は、そこで撮った。だが、行き帰りの観光客が、灯台の前でけっこう長居する。おちおち撮っていられない。狭いバルコニーをいつまでも占拠しているわけにもいかず、しかたなく、ほかの観光客に場所を譲った。
洲埼灯台と、先日行った剱埼灯台はペア灯台らしい。つまり、東京湾の入り口を、それぞれ房総半島と三浦半島から照らしているわけだ。頭の中で関東地方の地図を思い浮かべた。なるほどと思った。だが、現地では、どうも方向がよくわからなかった。バルコニーの方角案内板で富士山の方向を確かめた。目を凝らすと、何やらそれらしいものが見えた。いや、雲だったのかもしれない。ま、とにかく、富士山が見えるということは、こっちが西側かな?なんだか、ますますわからなくなった。
相変わらず、観光客は絶え間ない。ほとんどのみなさんが、長時間の滞在はしないのだけれど、あとからあとからなので、まったく撮影にならない。空模様もイマイチで、陰る時間帯の方が多い。撮影画像で、滞在時間を調べたら、それでも四十分くらい居たことになる。まあ~、粘った方だ。明日もあるということで、灯台を後にした。
階段を下ったときに、また、屋根の上のブルーの土嚢袋が目に入った。・・・昨年の台風で被害を受けたのだ。それが、一年近くたっても修繕されず、応急処置のままなのだろう。経済的な問題なのか、それとも修理業者が足りないのか、いずれにしても、また台風の季節になる。自分だったら、気が気ではない。
駐車場に戻った。依然として、あとからあとから、観光客が来る。ちょっと走って、さっき寄った公衆トイレの駐車場に車を止めめ、用を足した。ナビを船形平島灯台にセットして、また走りだした。道は、一応<房総フラワーライン>なのだが、民家が立て込んできて、さほどよろしくない。ただし、左手が海岸なので、見通しはいい。
そのうち館山の市街地に入った。海岸沿いの道に広い駐車場がいくつもある。観光地になっている。館山の駅にも近いようだ。波が穏やかなので、サーフィンではなく、ジェットスキーのスポットらしい。それ用のトレーラーをくっ付けている車が多い。ナビの画面から推測して、左カーブしている砂浜の向こうに、目指す灯台がありそうだ。
にぎやか場所を通り過ぎると、じきに<船形>の信号。左折して、漁港に入って行った。ナビの案内はここで終了。ゆっくり走りながら、漁港の中を覗きこんだ。比較的広々していて、人影はない。立ち入り禁止の看板もなく、ロープも張っていない。小山になった巻き網が、係船岸壁沿いに並んでいる。その手前に、車が何台か距離をあけて止まっている。釣り人の車だろう。大丈夫そうだ。空いているところに、適当に車を止めて、外に出た。
撮影画像で確認したところ、船形漁港の防波堤灯台を撮り始めたのは、十二時ころだった。雲は多いものの、日ざしはあった。ただ、トップライトの、逆光になっていて、写真的には、きれいに撮れない。時間がよくないな。だが、日が傾くまで待つわけにもいかない。頭の中で、明日の予定を算段した。もう少し早い時間に来れば、今日よりはきれいに撮れるかもしれない。
撮るのあっさり諦めた。戻ろう。引き上げ際に、漁港の右端にある、二本の大きなクレーンが目にとまった。造船所なのか。なぜかそこだけが青空だった。寂れかけた感じがいい。迷わず、一枚だけ撮った。
ちなみに、正式には、海に向かって左側の、真ん中のくびれた赤い方が、船形港東防波堤灯台、右側の角ばった白い方が船形港西灯台だった。だがこの時、何を勘違いしていたのか、赤い方の防波堤灯台を船形平島灯台だと思い込んでいた。あとで勘違いに気づいて、がっくりした。そういえば、学校のテストでも、同じようなことをよくしていた。思い込みが強くて、失敗したり、痛い目を見たことが、思えば、多々あったような気がする。






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