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<灯台紀行・旅日誌>&<花撮り物語>

<灯台>と<花>のフォトエッセー

2021

01/03

Sun.

13:39:50

<灯台紀行・旅日誌>2020 

Category【灯台紀行 南房総編

<灯台紀行・旅日誌>南房総編2020#5
移動~安房白浜港灯台撮影1

車に戻った。ナビを野島埼灯台にセットした。復路は<房総フラワーライン>を通らず、館山の市街地を突っ切り、山越えの道を選んだ。ナビの指示だ。野島埼―洲埼―船形と、来るときは、三角形の二辺を走り、戻りは、残りの船形―野島埼の一辺を走ったことになる。当然距離は短くなり、時間もかからなかった。ただし、見通しのない退屈な道だ。朝来た時に一度走っているから、なおさらそう感じたのかもしれない。

山道を下りきったところの信号を右折すると、セブンイレブンが見えた。野島埼灯台の周辺に、コンビニはここしかない。来る前にグーグルマップで下見済みだ。まだ午後の一時台だったようだ。少し気が早いと思ったものの、夕食などの食料を買い込んだ。おにぎり三個、内一個は赤飯握り。あとは菓子パン類二個、500mmパック牛乳。それに唐揚げ。

唐揚げは、レジのおじさん、というか爺さんに、いくつですかと聞かれた。二つ、と答えると、爺さんが揚げ物のケースを見て、おたおたしている。と、そばにいたおばさんが、すかさず、ちょっと待ってくれればすぐに用意します、とこちらに顔を向けた。爺さんも、一瞬、おばさんの方を見た。それから向き直り、商品のレジ打ち?を始めた。その手つきが、頼りない。あきらかに、間違えまいと努力している。入ったばかりのアルバイトだろう。

店内は、日曜日の昼時だからか、意外に混んでいた。レジは三つあり、次から次へと客が並んだ。すぐに、おばさんから、爺さんへと箱入りの唐揚げが手渡された。爺さんは<唐揚げ、五個>と言いながら、目の前のレジ画面を慎重に指で触れた。可もなく不可もなく、会社を定年まで勤め上げたのだろうか。物腰の柔らかい、少し禿げ上がった、白髪頭の爺さんだった。

はやっているコンビニには、さっきのような、テキパキおばさんがいることが多いような気がする。アルバイトの学生や若い女性、それに外国籍の店員などの、不愛想なレジ応対に慣れているので、こういう店に入ると、なにか、得をしたような気がする。おそらく、誰しもが感じていることで、はやっている店には、それなりの理由があるのだ。車を走らせながら、ふと思った。

野島埼灯台の、道沿いの駐車場に着いた。あれま、満車だ。ほかに駐車場はない。となれば、灯台前の一方通行のロータリーに路駐するほかない。なるほど、土産物屋などの店先に、ぐるっと車が止まっている。どれどれ、とゆっくり走っていく。さいわい、ロータリーの出口付近に、一台だけ止めるスペースがあった。

車から出た。雲の多い空模様ではあるが、ちょうど、陽が差してきた。暑かった。遊歩道を歩きながら、見上げるような感じで灯台を撮った。ベストポジションの<朝日と夕日が見えるベンチ>の辺りは、やや混雑している。観光客が多い。じっくり写真を撮るような雰囲気じゃない。早々に引き上げ。午後の二時ちょっと前だったようだ。

さてと、本日最後の撮影場所、安房白浜港港灯台にナビをセットした。海沿いの道を十五分も走れば着くだろう。走り始めるとすぐ、目の前に、赤い小さな防波堤灯台が見えた。何やら、漁港の奥だ。時間もまだ早い。見に行こう。係船岸壁をゆるゆる走る。片側にずらっと車が駐車している。見ると、正面は行き止まり。車列の空いているところに車を止めて、外に出た。

何やら、奥が深い。岸壁が広がっている。釣り場になっているらしく、釣り人がかなりいる。右手の、やや高い堤防に、踏み石を利用して登りあがった。堤防を歩いて、赤い防波堤灯台に近づいた。突端に、釣り人が何人もいる。なんとなく、そばまで行く気になれず、少し手前で止まって、何枚か撮った。赤い防波堤灯台は、海の中の防波堤に立っていた。防波堤は波消しブロックにがっちり守られている。歩いて行くことはできない。だが、全体のロケーションがイマイチで、見えている灯台の形にも、さほど魅力を感じなかった。正式の名前は、乙浜港南防波堤灯台、今調べた。

引き返した。車に乗った。漁港を出て右折。すぐ左手に、今日と明日泊まるホテルが見えた。さあ、ここからが問題で、次に行く安房白浜港灯台の付近には、駐車スペースがない。下調べした段階では、片側一車線のさして広くない、海沿いの道路に路駐するか、あるいは、砂浜沿いの道なき道を行くか、の二つだ。しかも、その道なき道の先が、どのような状態なのか、グーグルマップでは確認できない。

どうしようか、と思っているうちに、マップシュミレーションした光景が広がってきた。やはり、路駐は気が進まない。気になって、じっくり撮影ができない。と、右手に浜へと入る道。あわてて右折。悪路に入る。すぐに突き当り。木立があって海への視界はさえぎられている。灯台は右方向。そろそろ行くと、左手に海が見えた。道が少し広くなっていて、車が三台止まっている。人影はない。釣りに来ているのだろう。そんなことより、スペースがいっぱいで、止められない。

前に進むしかないだろう。いざという時は、バックで戻ってくればいい。ガタガタの水たまりの悪路を行く。タイヤまわりが汚れることが少し気になった。だが、今はそんなことにこだわっている時ではない。と、家が数軒見えた。こんなところになんで?と思いながら、ゆっくり脇を通り過ぎる。人影はない。悪路はさらに細くなる。停止してちょっと考えた。別荘だな。いや、それよりも、この先は無理だろう。道が細すぎる。それに、悪路が極まっている。

道の真ん中に車を止めて、外に出た。お目当ての灯台が、海辺に見えた。見ると、悪路の左側に少し広くなったところがある。車一台分くらいはある。シカとしてここにぶっ止めようか。あたりの様子をうかがった。要するに、どん詰まりの別荘地だったのだ。悪路にT字する形で、右手に道があり、その両側に家が建っている。伸びあがってみると、どうやら、その道も行き止まり。さっき通った海沿いの道路には抜けられない。

別荘の私道が砂浜沿いの悪路にぶつかるところが、少し広くなっている。おそらく、車の切り返しのためだろう、だとすれば、駐車はまずいだろう。と思ったが、辺りに人の気配は全くない。五、六軒ある別荘の雨戸はみな閉ざされている。物騒だな、コロナの影響かな、そんなことはどうでもいい。車を脇に寄せた。一、二回、切り返し、寄せるだけ寄せた。これなら、万が一にも、ほかの車が来ても通れるだろう。撮影中に、クラクションを鳴らされるほど、嫌なことはない。

カメラバックは車に置いていこう。軽い方のカメラを首にかけ、悪路を歩き始めた。凸凹、深い水たまり、その上、車一台通るのがやっと、こんな道はできれば走りたくない。もっとも、以前乗っていたジムニーなら、迷わず突っ込んでいっただろう。ただし、高速を走ってここまで来ることはできない。やっぱ、<軽>じゃ高速は無理だよな。いや、無理ではないが、疲労感がひどい。と、視界が開けた。行き止まりではあるが、少し広くなっている。Uターンできるかもしれない。なあ~んだと思った。

海の方へ向き直った。なるほど、波打ち際の岩場に、その灯台はポツンと立っていた。中ほどやや上が少しくびれた、<とっくり>に形が似ていないこともない。優しいフォルムだ。それにロケーションは最高。ただし、空の様子がよろしくない。ところどころに青空はあるものも、全体的には曇りで、暗い。とくに、灯台の背景は鉛色の曇り空だ。だが、ここまで来た以上、晴れていようが、曇っていようが、撮るしかないのだ。

滑って転ばないように、慎重に岩場に上がった。岩場は、非常に複雑な形をしていた。単に凸凹だけでない。ノコギリの歯を横に並べた感じだ。幾層にも重なる、その歯の上を飛び歩きしながら、灯台に近づいていった。灯台は、陸続きの岩場ではなく、海の中の岩場に立っている。むろん、岩場の最先端まで行った。目の前は海だ。これ以上は近寄れない。灯台の扉が正面に見える。この位置がベストポジションのような気もした。

しかし、わからんだろう?灯台を中心点にして、右へ、左へと、ノコギリの歯の上を移動した。ただし、深追い?はしなかった。というのも、明かりの具合がよろしくない。背景も鉛色の空だ。きれいに撮れているはずがない。まだ、三時過ぎだったが、明日の天気に期待しようと思った。早めにホテルに入って、温泉にでも入ろう。何しろ、今日は、朝の三時から動きまわっているんだ。岩場から上がった。今一度、行き止まりの広さを目で確認した。ま、ここなら、Uターンできそうだ。

水たまりを避けながら、悪路を歩き出した。脇に、オレンジ色のユリのような花が数本、浜風に揺れている。カンゾウだと思う。その場にしゃがみこんで、お花たちを画面に入れた。灯台とお花のマッチングに、いつもながら心が和んだ。

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