此岸からの風景
<日本灯台紀行 旅日誌>オヤジの灯台巡り一人旅 長~い呟きです
2021
06/19
Sat.
09:53:45
<灯台紀行・旅日誌>2020
Category【灯台紀行 南伊豆編】
<灯台紀行・旅日誌>2020南伊豆編#12 帰路
まいったな。雨の中を走り出した。時間は<8時 出発>とメモにある。左方向へハンドルを切る。見覚えのある、爪木埼灯台入口の信号を通過。一気に急な坂道。雨が強いので、運転に慎重になった。と、バックミラーに、灰色っぽい<軽>がぴたりとついている。別にあおっているわけではないのだろう。だが、なんだか、嫌な感じだ。車間距離を詰めすぎだろうが!
気になって、チラチラ、ミラー類を見ながら走った。下り坂のカーブになったとき、<軽>の後ろにも、びっしり車が連なっているのが見えた。自分がネックになっている。ちぇ!ちょうど通勤時間帯だ。地元の人間だろう。毎日通っている道で慣れている。多少の雨だが、いつもの調子で走っていたら、前に白い車、県外ナンバーが行く手をふさいでいる、というわけか。
朝っぱらから、疲れるな。このまま、一般道で自動車レースをしていてもしょうがない。ちょうど、坂の下に、コンビニらしきものがあった。退避した。バックミラーで、あおってきた<軽>をちらっと見た。かなりのスピードで走り去っていった。イライラしてたのね。すぐに、コンビニの駐車場で回転して、再び道に戻った。
その後は、市街地走行、道は平たんになり、車の数も減ったように感じた。が、いくらもしないうちに、上り坂になった。<天城越え>だ。雨がじゃんじゃん降っている。最悪の展開だった。と、前に、高くした荷台に、荷物を満載した二トン車が、よろよろ走っている。これは歓迎だった。あとについていけばいい。こっちは全然急いでいない。風雨の強まる中、むしろゆっくり走りたいのだ。
しばらくは、ある程度の車間をあけて、あとについて行った。だが、山道が、次第に険しくなる。かなり急坂になってきた。カーブを曲がるたびに、二トン車のスピードが落ちる。いきおい、自分の車が、二トン車に接近してしまう。この繰り返した。ミラーで後ろを見ると、車列ができている。しょうがないだろう、前に危なっかしいトラックが走っているんだ。
俺はあおったつもりはない。だが、先ほど、灰色っぽい<軽>にあおられたと思ったように、二トン車の運転手も、白い車にあおられたと思ったに違いない。というのも、急坂の途中、ちょっとした路肩に、トラックが退避したからだ。あきらかに、道を譲っている。いや~、こちらとしては、譲ってほしくはなかったのだ。
ほぼ、暴風雨の山道。いまだに難所の<天城越え>、その登り坂で、車列の先頭に立ってしまった。悪夢が再び訪れた。今度は、同じ<軽>でも、白っぽいバンだ。おそらく仕事車だろう。バックミラーで急接近を確認。だが、どうしようもない。これ以上は早く走れないのだ。とはいえ、年甲斐もなく、上等だ!と、少し熱くなって、軽バンを引き離しにかかった。車の性能は、明らかにこっちの方が上だ。
カーブを曲がり切ったところで、アクセルを踏みこんで、軽バンを引き離す。だが、運転技術、土地勘、度胸で負けていた。軽バンも加速して、すぐに接近してくる。その都度、バックミラーで確認する。と、ほとんど追突されるのではないかと思えるほど、ぴったり後ろについている。これの繰り返しだ。狭い急な上り坂、退避場所を目で探したが、見つからない。
暴風雨の天城山中で、自動車レースに巻き込まれるとは、予想だにしなかった。が、その時、ふと思った。軽バンは、あおっているんじゃない。前の車についていこうとしているだけかもしれないじゃないか。だとすれば、こちらがスピードを上げれば上げるほど、たぶん、奴もスピード上げてくるわけだ。まさに、いたちごっこ!なのだ。
緊張して、いい加減、疲れた頃、幸運なことに、頂上が見えた。そこは大きな駐車場になっていて、土産物店やレストランなどがある。退避!ハンドルを切った。ミラーで確認すると、軽バンは無論のこと、あとに続く車列が、猛スピードで通り過ぎていった。ふ~~~、トイレ休憩しよう。ところが、比喩でなく、バケツをひっくり返したような土砂降りだ。ちょっとドアを開けたが、外に出るのは無理だと思った。
おしっこ缶を取り出して、車内で用と足したのだろうか。はっきりしない。だが、一息入れて、またすぐ山道に戻った。ここからは下り坂で、多少、道が広くなっている。カーブもそれほどきつくない。ある程度のスピードが出ていたので、後続車を気にせず、マイペースで走った。暴風雨の<天城越え>!あおり、あおられの<いたちごっこ>が脳裏から消えて、今度は、<伊豆縦貫道>へ間違いなく入ることに注意が向かった。だが、情けないことに、最初の入り口をやり過ごしてしまった。次は絶対見落とすまいと、自分にプレッシャーをかけ、注意深く、辺りを見回しながら走った。その甲斐あって?無事、<伊豆縦貫道>へ入った。
ナビは古いので、といっても五年前のものだが、<圏央道>同様、<伊豆縦貫道>の案内に関しても信用していなかった。何しろ、来た時には、別のルートを、それも遠回りのルートを教えられたのだから。
<伊豆縦貫道>に入ってから後のことは、あまりよく思い出せない。たしか二か所で料金を払ったような気がする。有料道路の区間が、まだ統一されていないのだろう。それと、雨は小降りになっていたようだ。要するに、天城山中だけが、極端に降っていたのだ。よくあることだ。
<12:30 自宅着 片付け>とメモにある。そうだ、帰宅した時には、ほとんど降っていなかった。いや、ぽつぽつだな。それで一気に、荷物をアトリエの中へ入れたんだ。旅疲れ、運転疲れということもなかったと思う。二階の部屋に入る時には、<ただいま>と声に出した。一応、ニャンコに言ったつもりだったが、ニャンコの顔は思い浮かばなかった。誰もいないのが、当たり前になった。気持ちは平静だった。
<南伊豆旅>2020-10-6(火)7(水)8(木) 収支。
宿泊費二泊 ¥8198(Goto割) 高速 ¥8770
ガソリン 総距離500K÷20K=25L×¥125=¥3130
飲食 ¥3000 その他 ¥3300
合計¥26400
今回も妥当な金額だ。いや、これだけ楽しんで、三万円でおつりがくる。金額的にも、内容的にも、不満はない。土砂降りの<天城越え>ですら、今となっては、良い思い出だ。
<灯台紀行・旅日誌>2020南伊豆編#1~#12
2020-10-26 終了。
まいったな。雨の中を走り出した。時間は<8時 出発>とメモにある。左方向へハンドルを切る。見覚えのある、爪木埼灯台入口の信号を通過。一気に急な坂道。雨が強いので、運転に慎重になった。と、バックミラーに、灰色っぽい<軽>がぴたりとついている。別にあおっているわけではないのだろう。だが、なんだか、嫌な感じだ。車間距離を詰めすぎだろうが!
気になって、チラチラ、ミラー類を見ながら走った。下り坂のカーブになったとき、<軽>の後ろにも、びっしり車が連なっているのが見えた。自分がネックになっている。ちぇ!ちょうど通勤時間帯だ。地元の人間だろう。毎日通っている道で慣れている。多少の雨だが、いつもの調子で走っていたら、前に白い車、県外ナンバーが行く手をふさいでいる、というわけか。
朝っぱらから、疲れるな。このまま、一般道で自動車レースをしていてもしょうがない。ちょうど、坂の下に、コンビニらしきものがあった。退避した。バックミラーで、あおってきた<軽>をちらっと見た。かなりのスピードで走り去っていった。イライラしてたのね。すぐに、コンビニの駐車場で回転して、再び道に戻った。
その後は、市街地走行、道は平たんになり、車の数も減ったように感じた。が、いくらもしないうちに、上り坂になった。<天城越え>だ。雨がじゃんじゃん降っている。最悪の展開だった。と、前に、高くした荷台に、荷物を満載した二トン車が、よろよろ走っている。これは歓迎だった。あとについていけばいい。こっちは全然急いでいない。風雨の強まる中、むしろゆっくり走りたいのだ。
しばらくは、ある程度の車間をあけて、あとについて行った。だが、山道が、次第に険しくなる。かなり急坂になってきた。カーブを曲がるたびに、二トン車のスピードが落ちる。いきおい、自分の車が、二トン車に接近してしまう。この繰り返した。ミラーで後ろを見ると、車列ができている。しょうがないだろう、前に危なっかしいトラックが走っているんだ。
俺はあおったつもりはない。だが、先ほど、灰色っぽい<軽>にあおられたと思ったように、二トン車の運転手も、白い車にあおられたと思ったに違いない。というのも、急坂の途中、ちょっとした路肩に、トラックが退避したからだ。あきらかに、道を譲っている。いや~、こちらとしては、譲ってほしくはなかったのだ。
ほぼ、暴風雨の山道。いまだに難所の<天城越え>、その登り坂で、車列の先頭に立ってしまった。悪夢が再び訪れた。今度は、同じ<軽>でも、白っぽいバンだ。おそらく仕事車だろう。バックミラーで急接近を確認。だが、どうしようもない。これ以上は早く走れないのだ。とはいえ、年甲斐もなく、上等だ!と、少し熱くなって、軽バンを引き離しにかかった。車の性能は、明らかにこっちの方が上だ。
カーブを曲がり切ったところで、アクセルを踏みこんで、軽バンを引き離す。だが、運転技術、土地勘、度胸で負けていた。軽バンも加速して、すぐに接近してくる。その都度、バックミラーで確認する。と、ほとんど追突されるのではないかと思えるほど、ぴったり後ろについている。これの繰り返しだ。狭い急な上り坂、退避場所を目で探したが、見つからない。
暴風雨の天城山中で、自動車レースに巻き込まれるとは、予想だにしなかった。が、その時、ふと思った。軽バンは、あおっているんじゃない。前の車についていこうとしているだけかもしれないじゃないか。だとすれば、こちらがスピードを上げれば上げるほど、たぶん、奴もスピード上げてくるわけだ。まさに、いたちごっこ!なのだ。
緊張して、いい加減、疲れた頃、幸運なことに、頂上が見えた。そこは大きな駐車場になっていて、土産物店やレストランなどがある。退避!ハンドルを切った。ミラーで確認すると、軽バンは無論のこと、あとに続く車列が、猛スピードで通り過ぎていった。ふ~~~、トイレ休憩しよう。ところが、比喩でなく、バケツをひっくり返したような土砂降りだ。ちょっとドアを開けたが、外に出るのは無理だと思った。
おしっこ缶を取り出して、車内で用と足したのだろうか。はっきりしない。だが、一息入れて、またすぐ山道に戻った。ここからは下り坂で、多少、道が広くなっている。カーブもそれほどきつくない。ある程度のスピードが出ていたので、後続車を気にせず、マイペースで走った。暴風雨の<天城越え>!あおり、あおられの<いたちごっこ>が脳裏から消えて、今度は、<伊豆縦貫道>へ間違いなく入ることに注意が向かった。だが、情けないことに、最初の入り口をやり過ごしてしまった。次は絶対見落とすまいと、自分にプレッシャーをかけ、注意深く、辺りを見回しながら走った。その甲斐あって?無事、<伊豆縦貫道>へ入った。
ナビは古いので、といっても五年前のものだが、<圏央道>同様、<伊豆縦貫道>の案内に関しても信用していなかった。何しろ、来た時には、別のルートを、それも遠回りのルートを教えられたのだから。
<伊豆縦貫道>に入ってから後のことは、あまりよく思い出せない。たしか二か所で料金を払ったような気がする。有料道路の区間が、まだ統一されていないのだろう。それと、雨は小降りになっていたようだ。要するに、天城山中だけが、極端に降っていたのだ。よくあることだ。
<12:30 自宅着 片付け>とメモにある。そうだ、帰宅した時には、ほとんど降っていなかった。いや、ぽつぽつだな。それで一気に、荷物をアトリエの中へ入れたんだ。旅疲れ、運転疲れということもなかったと思う。二階の部屋に入る時には、<ただいま>と声に出した。一応、ニャンコに言ったつもりだったが、ニャンコの顔は思い浮かばなかった。誰もいないのが、当たり前になった。気持ちは平静だった。
<南伊豆旅>2020-10-6(火)7(水)8(木) 収支。
宿泊費二泊 ¥8198(Goto割) 高速 ¥8770
ガソリン 総距離500K÷20K=25L×¥125=¥3130
飲食 ¥3000 その他 ¥3300
合計¥26400
今回も妥当な金額だ。いや、これだけ楽しんで、三万円でおつりがくる。金額的にも、内容的にも、不満はない。土砂降りの<天城越え>ですら、今となっては、良い思い出だ。
<灯台紀行・旅日誌>2020南伊豆編#1~#12
2020-10-26 終了。
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