fc2ブログ
06«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»08

此岸からの風景

<日本灯台紀行 旅日誌>オヤジの灯台巡り一人旅 長~い呟きです

2023

07/26

Wed.

07:49:20

<日本灯台紀行 旅日誌>2021年度版 

Category【灯台紀行 紀伊半島編

DSC_6386copiia2000.jpg

<日本灯台紀行 旅日誌>紀伊半島編

#11 六日目(2) 2021年3月25(木)

安乗埼灯台撮影1

紀伊半島旅の六日目の午後は、昼頃、大王埼灯台から安乗埼灯台へと移動した。

<移動 安乗埼(あのりさき)灯台へ向かう 30分ほど(かかる) けっこうある 最後は 防潮堤の上を走り 狭い道をうねうね行った (その)つきあたりに広い駐車場=これも了解済み 小雨の中 下見 芝生広場 柵沿いに東屋 こじゃれた建物 芋スイート店 有名なのか 中にけっこう人がいる 車(に戻る) 腹がへり 菓子パンをむさぼり食う>。

このメモ書きを書いたのは、むろんこの日の夜である。かなりいい加減になっている。少し書き足しておこう。

ナビを安乗埼灯台にセットして、大王崎を後にした。そのあと、どこをどう走ったのか、よく思い出せない。イメージが出てくるのは、海岸沿いの比較的広い道だ。右手に防潮堤があって、砂浜は見えない。道路沿いに駐車スペースがあったので、車を寄せる。外に出ると左手に岬が見えた。岬のどてっぱらに道があり、両側に民家が並んでいる。あの坂を登った先に、灯台があるのだろうと思った。灰色の空だ。海を見ることはせず、すぐにまた車を走らせた。

海岸沿いの道から、ナビの指示に従い、右方向へとハンドルを切り、防潮堤沿いの道に上がった。かなり狭い。さらにその先には、短い橋のようなものがあり、対面通行はできない。橋の前でスピードを落として通過。要するに、これで、安乗埼灯台のある岬に渡ったということなのだろう。

一気に坂を登る。ほぼ登りあがったあたりからは、さらに道が狭くなり、両脇民家の、くねくね道だ。退避する場所もないし、向うから車が来たらどうするんだ。ひやひやしながら走っていると、案の定、目の前に車が現れた。このままいけば、正面衝突だ。あわててブレーキを踏んだ。多少広くなった所があったので、車を端に寄せると、何とかすれ違いができた。

こんな狭い道の先に灯台の駐車場があるのだろうか?それがあるのだ。事前にグーグルマップで検索、了解済みだった。目の前に、こんもりした駐車場が見えた。松の木などが周りに生えている、かなり広い。しかも無料なのだ。平日にもかかわらず、車がけっこう止まっていた。どこに止めようかな?と思いながら、入っていくと、正面突き当りに建物が見えた。

実を言うと、この後の、安乗埼灯台の下見については、ほとんど何も思い出せない。だが、時間軸にそった撮影画像のラッシュがある。それらの画像を参考にしながら、この日の下見を再構成してみる。

軽い方のカメラだけ持って、建物の裏手に回った。がけっぷちに柵がしてある。その並んだ柵の先に、灯台が、ちょこっと見えた。柵を乗り越えて、がけっぷちに踏みこめば、もう少し灯台がよく見えるだろう。だが、やめた。というのも、建物はレストランのようで、今自分の居る場所は、その窓際の席から丸見えなのだ。人目を気にしたわけだ。それに、今にも雨が降り出しそうな空模様だった。写真にならない。危険を冒してまで踏み込む場所じゃない。そもそもが、今日は下見だろう。

それよりも、柵の向こうの海の中に、陸地側から海側へと、不自然なほどに突き出した防波堤が見えた。その先端には灯台が立っている。さきほど、大王崎の神社の岬で見たのと同じような仕様で、防波堤は、波消しブロックでがっちり覆われている。曇り空ということもある。なんとなく物悲しい、寒々とした、すっからかんな風景だ。カメラを向けた。

対岸は、入り組んだ地形になっていた。こんもりした岬が折り重なっている。おそらく、懐の深い入り江になっているのだろう。したがって、今見えている、防波堤灯台は、漁港(安乗漁港)に入る船のためのものだ。となれば、対岸にはペアの赤い防波堤灯台がある筈だ。

目を細めて探す。たしかにあるが、遠すぎてよく見えない。横着して、望遠カメラを持ってこなかったことを少し悔いた。いや、800ミリ望遠が利くデジカメを、ポーチにくっつけて、いつも携帯しているのだから、それで見たのかもしれない。ただ画面が小さいから、なおさらよく見えなかったのだろう。まあ、いい、とにかく、明日は望遠カメラも持ってこようと思った。

下見を続けよう。灯台を目指して、柵沿いに歩き始めた。灯台は、岬の先端部に位置している。途中、左側に花壇のような場所があり、何かの記念碑が立っていた。灯台の入口の前にも小さな花壇があり、八重桜が満開だった。曇り空だから、色合い的には、イマイチだが、濃い紅色に心が和んだ。向き直ると、敷地の門柱の前に小さなプレハブがある。なるほど、受付だな。入場料=参観料を払うのだろう。むろん、この日は、灯台に登る気も、敷地の中に入る気もなかったので、素通りした。

灯台に背を向けて、さらに柵際を歩いていくと、東屋があった。ちょうど断崖際に立っていて、左手の展望がいい。海だ。むろん灯台も見える。おそらく、ここからのアングルが、安乗埼灯台のベストポイントだろう。ただ、先ほど<八幡さん公園>から見た大王埼灯台の景観と、酷似している。おそらく、灯台手前の断崖の補強された法面が、ほぼ同じ位置にあることが、その主なる理由だろう。

もっとも、この二つの灯台とかぎらず、岬に立つ灯台を横から見た場合、岬が右からせり出しているか、それとも左なのか、の違いがある程度で、それほど大きな違いはない。と、最近では思っている。とはいえ、灯台そのものの形は、唯一無二のもので、安乗埼灯台と大王埼灯台に関して言えば、前者は四角柱、後者は円筒型だ。まあ、自分にとって、灯台巡りの旅の楽しさは<灯台のある風景>を見つけることが、第一義的ではあるが、灯台の歴史を知り、その造形の美しさを堪能することも、楽しみの一つではある。そういった意味では、安乗埼灯台の造形は、なんか面白い感じがして、確実に記憶に残りそうだ。

芝生広場を突っ切りながら、横目でちらっと灯台を見て、そんなことを思ったのかもしれない。いや、これはウソだろう。おそらく、この時思ったことは、芝生広場からは、写真にならない、ということだ。つまり、樹木が邪魔で、灯台の上半分くらいしか見えない。それに遠目過ぎる。雨がぽつぽつ落ちてきた。引き上げよう。

<15時 (安乗漁)港の防波堤灯台に寄るつもりが 道をまちがえる 行き着けない めんどうなので 明日にして帰路 ナビどおりに走っているのに、なんか道がちがう 新しい道(なのでナビが認識できない) 買いかえる決心をする>。ちなみに、いまだにナビは更新していない。二万以上かかると言われたので、我慢することにした。不便なのは旅に出た時だけだ。ケチだなあ~!

<16時過ぎ ファミマで食料(の調達) 筋向いのビルが(今日泊まるホテルだ) 2階が受け付け エレベーターがない 荷物が多いのでちょっとしんどい 中高年の女性 ビジネスライク(の応対) 書くことはない ただ部屋に電気ポットがない 温水便座でない 天井にライトがない うす暗い 窓の外は隣のビル ガラス窓越しに机などが見える これで6000円は高いな! いわゆる安ホテルだ ま いい 風呂 ビール 昼寝 18時すぎに起きて夕食 そのあと日誌・・・>。

朝っぱらから、動き回っていたわりには、さほど疲れていなかった。こんな安ホテルに三泊もするのかと思って、ややうんざりしたような気もする。ただ、非常に静かなホテルだった。それに、目の前にコンビニがあるのも便利だった。

[edit]

page top

 

2023

07/12

Wed.

05:56:07

<日本灯台紀行 旅日誌>2021年度版 

Category【灯台紀行 紀伊半島編

DSC_5508copiia2000.jpg

<日本灯台紀行 旅日誌>紀伊半島編

#10 五日目(2) 2021年3月24(水)

樫野埼灯台撮影2
橋杭岩観光

紀伊半島旅、五日目の午後は、樫野埼灯台を、ダメ元でもう一度撮りに行き、ホテルに戻る前に、<橋杭岩>を観光した。

<樫野埼灯台-2回目 照ったり陰ったり 灯台に上る人が多い (撮影ポイントで)何枚も撮る 昨日よりは 空に変化があるのでよい それに (灯台に)陽のあたる感じも やはり 午後のほうがよい (敷地内に一か所、冬枯れた花壇のようなところがあった) その中に分け入って 写真を撮った形跡がある 自分も踏みこんで 撮った なにしろ引きが取れない場所なのだ>。しかしながら、これはよくないことだ。気が引けていたから、腰も引けている。当然、写真もモノにはならなかった。

あとは、敷地から出て、灯台の周りを、塀沿いにぐるっと一周しながら、撮り歩きした。昨日と同じだ。ただ今日は、海側の、断崖の<柵際に、カゴ付きの原チャリ(があった) 無人 下に降りてなにかとっているのかもしれない>。柵から身を乗り出して、下をのぞいてみた。樹木が生い茂り、険しい断崖だ。とうてい人が上り下りできる場所じゃない。と、そばの比較的太い木に、ロープが巻いてあって、下に垂れ下がっている。なるほど、これで、上り下りしているのか。そうまでして、いったい何が採れるのだろう。ま、深くは考えずに、その場を後にした。

灯台の正面に戻って来た。たしか、もう一度<樫野埼灯台>と書かれた、門柱左側にかかっている、立派な表札を眺めた。そして、これが今生の見納めと思ったのだろうか、今一度、灯台の敷地に入った。すでに、写真は撮り終えている。まともな写真が一枚も撮れていないことを、ほぼ確信していた。立ち去り難い気分になったのは、多少の未練も影響していたようだ。

戻り道。<トルコの土産物店(の前)を通る際 なんとなくバツが悪い 主人がでてきて 声でもかけられたらどうしよう 明日来るって言ったでしょ!>。さいわいにも、店の前はひっそりしていて、主人が通りの様子を窺がっているわけでもなかった。いい加減なことを言って、かえってヤブ蛇になることがよくある、と思った。広い通路の真ん中を歩いた。満開の白い桜をチラッと見た。心が軽く、楽しい気分だった。

樫野埼灯台の駐車場を後にした。岬を下り終えたところ、串本大橋のたもとの駐車場は、車がいっぱいだった。<だが無人 密漁か?>寄り道するつもりだったので、肩すかしを食わされた感じだ。そのまま橋を渡って、右折して串本駅の方へ向かった。潮岬灯台の夕景は、すでに二回撮っているので、今日は行かない。そのかわり、ホテルの部屋から見えた、白い防波堤灯台を見に行くことにした。

いちおう、ナビに、その辺りの地点を指示したので、近くまでは行けた。低い防潮堤沿いの道だ。近くに車を止めるスペースはない。路駐した。防潮堤際まで行って、何枚か撮った。ホテルの部屋から見た時は、そこはかとない哀愁を感じた。だが、近くで見ると、なんということはなかった。ただ、湾の出口、海の奥に 串本大橋の全景が見えた。自分がいまさっき通った橋だ。<この橋は 一連アーチの銀色 なんか好きだな>。

執着せずに、移動。<橋杭岩に行く 奇岩が連なる 天然記念物>だ。おとといの日、串本町に入った時、道沿いに大きな駐車場があり、変な形の岩が、海の中にずらっと並んでいるのを、ちらっと見た。時間があれば、寄ってみようと思った。樫野埼灯台はダメだったが、潮岬灯台の方は、まずまずの写真が撮れたような気がしていた。多少なりとも、気分が楽になっていたわけで、観光する余裕ができたようだ。

案内板には<串本から大島に向かい、約850mの列を成して大小40余りの岩柱がそそり立っています。海の浸食により岩の硬い部分だけが残り、あたかも橋の杭だけが立っているように見えるこの奇岩には、その昔、弘法大師と天の邪鬼が賭をして、一夜にして立てたという伝説も伝わっています。吉野熊野国立公園地域にあり、国の天然記念物に指定されています。>とあった。

たしかに、面白い光景であることに間違いはない。スケベ心が出て、モノにしてやろうと写真を撮り始めた。だがなかなか難しい。照ったり陰ったりの天気で、奇岩たちに明かりが当たらない。それに、駐車場の柵際から撮っている限り、海の中に並んでいる奇岩たちとは平行関係にならない。いわば<ねじれの関係>だ。構図的にどうもよろしくない。

駐車場の右端の方へ移動した。係船岸壁が、海に突き出ているので、多少は、奇岩たちとの平行関係がつくれそうだ。でも、それでも不十分だった。浅瀬の岩場の浜だから、下に下りることもできる。位置取りとしては、奇岩たちに近づける。だが、自分と奇岩たちの布置そのものは変わらない。ま、ここで、写真を撮るのをあきらめた。

ただ、奇岩たちの岩肌の質感くらいは、写真におさめたいと思い、陽が当たる瞬間を待った。午後おそくのオレンジ色っぽい西日が、かっと、奇岩たちにきた。何枚か夢中で撮った。だが、モニターすると、結果は最悪で、奇岩たちは、変な感じに赤っ茶けて並んでいた。これなら、まだ、陽のあたらない写真の方がましだ。あ~あ、引き上げよう。

駐車場の柵沿いに歩いて、車に戻りかけた。と、ふと思って、売店のある建物の方へそのまま進んだ。お決まりの<マーキング>だ。売店の中をチラッと覗いて、トイレに入った。きれいに掃除してあった。そういえば、売店の床を掃除している人もいたし、柵沿いの花壇をきれいにしている人もいた。就業時間の終わりに、みなして掃除をするのが、ここの決まりなのか。

いいや、そうじゃないだろう。働いている人が、都会のコンビニの従業員のような不機嫌な顔じゃなかった。おそらく、みなして、この観光資源と施設を大切にしているのだろう。<橋杭岩>、素晴らしい自然の景観だったし、気持ちよく観光できたな、と思った。

ホテルへ帰ろう。来た道を戻った。夕食の調達だが、たしか、駅前の道沿いに<ぎょうざの王将>があったはずだ。寄ってみようかと、左側を注意してみていると、店は休店しているようだった。少しがっかりだ。コンビニ弁当ばかりで飽きていたのだ。でもしょうがない、ファミマによって食料を調達、4時半にホテルに着いた。

ホテルの受付には、老年の女性が座っていた。毎日、受付の人が変わっている。これで三人目だ。みなパートのおばさんなのだろう。<風呂 頭を洗う 相撲を見ながら弁当 鳥唐チャーハン そのうち 隣から 鼻歌が聞こえる 若い奴が一人で歌ってるようだ>。<18時 昼寝 21時に起きる お菓子類を食べる 日誌をつける 21:45分 再度寝る 花粉症がひどい 鼻づまり!!!>。

若い奴の鼻歌、まったく記憶にございません!メモ書きに書いてあるのだから、たしかに聞いたのだろう。それよりも、この時は、遅い昼寝の前に、窓を開けて、外の景色を撮った。泊まっていた部屋が、四階?だったので眺めがよかった。建物の屋根越しに港が見えた。防波堤灯台があり、串本大橋まで見通せた。そこに、おりしも、夕陽が差してきた。本州最南端の港町がオレンジ色に染まった。窓から身を乗り出して、視界に入る風景すべてを写真におさめた。左端に、樫野埼灯台が、小さく見えたのも予想外で、なぜか、うれしくなった。

旅が半分終わった。体力的には、全然問題はなく、明日は200キロ北上して、伊勢志摩の灯台を撮りに行く。多少の感傷と多少の気合いが入り混じった、ほど良い心持だった。窓を閉めるとき、眼下のビルの駐車場が目に入った。車が四、五台止まっていた。ホテルの隣は、さびれたパチンコ屋だった。

[edit]

page top

 

2023

07/05

Wed.

08:39:14

<日本灯台紀行 旅日誌>2021年度版 

Category【灯台紀行 紀伊半島編

DSC_5305copiib2000.jpg

<日本灯台紀行 旅日誌>紀伊半島編

#8 五日目(1) 2021年3月24(水)

潮岬灯台撮影3

紀伊半島旅、五日目の朝も、串本町の駅前ビジネスホテルで目が覚めた。

<2021年3月24日水曜日 晴れ 雲が多い 照ったり陰ったり あたたかい 7時に起きる 比較的よく眠れる 朝の支度 朝食・食パン、牛乳 排便・でない 昼頃 出先で少し出て すっきりする>。この日は、何時ころホテルを出たのか、記述されていない。だが、ファミマで朝のコーヒーを買い、スタンドで給油し、そのあと、はじめに<潮岬タワー>へ行ったようだ。この日の撮影画像を確認すると、九時ちょっとすぎに、タワーから潮岬灯台を撮った写真があった。

<昨日とはちがった受付の女性(だった) 再入場できるかと聞くと 申し訳なさそうに ダメだという 雲が多く ダメもとで登る 風がないので寒くはない タワーの最上階 屋上みたいなところに登って撮る 400ミリ(望遠)を三脚にセット ポジションとしては 水平線と灯台の垂直を考えると ほぼ一か所しかない 何度も迷いながら 確定する (ま、)ベターな場所だから あとはズームでアングルを変えるだけ 照ったりかげったり 多少イライラしながら 陽のさす瞬間を待つ>。

思い違いなのか?いやそうではない。タワーへの再入場ができないのは、昨日聞いてわかっていたのだ。だから、冷やかしはんぶんで、聞いたのだろう。いや、今日の女性は、どう反応するのか、見たかったのかもしれない。たしか、昨日の女性よりは愛想のいい、かわいい娘だったような気がする。

あとは<そうだ タワーの駐車場のトイレで用便をすませた 外観はやや古びていたものの きれいにそうじしてあった 温水便座 多少の抵抗>。少し説明しよう。最近は、観光地の公衆トイレでも、温水便座によくお目にかかる。<痔>持ちの身にとってはありがたいことだ。だが、便座にじかに腰掛けることに、やや抵抗を感じている。

もっともこれは、温水便座に限らず、洋式トイレでも同じだろう、とおっしゃるのかな?それが、若干違う。温水便座の場合、当たり前のことだが、便座が温かい。この暖かさが、曲者だ。誰だか知らないが、不特定多数の人間が座っていた、ということを、この、ほど良い暖かさは、思い起こさせてくれる。人間の肌のぬくもりだ。そんなことは、正直なところ思い出したくない。便座が冷たくて、ひえ~~としながら、さっと用をすませば、いらんことを思い出さなくても済むのだ。痛しかゆしとはこのことだろう。

次に進もう。<潮岬駐車場 今朝は昨日の爺さんとは別の爺さん(だった) 歩いて(東側)展望スペースへ 犬のクソを踏んだ場所をたしかめる 昼間なら見えたが 夜だったので不覚をとった それにしても 飼い主の不始末に腹がたつ 柵際を位置移動しながら、撮り歩く>。

そのあと<犬のウンコを横目で見ながら、浜へ下りる 道端(坂の途中)にいろいろな花が咲いている 名前の知らない花 見たことはあるが名前の知らない花 ムラサキカタバミ カタバミ 西洋タンポポが目立つ 桜も満開 ただし 色の白い桜が多い><浜には7~8台 車が止まっている 漁船もない 無人 これさいわいと 小さな船溜まりと 岩場の間にある防潮堤の上に登り すこし(海)の方へ歩く はば70センチほど 昨日は強風で歩くのが はばかられた>。

<岬の上の灯台と 波しぶきがあがる岩場が視界に入る 新しいポジションだ うしろから船が来る 振り向きもせず 防潮堤を歩いて岩場へ行く 何か言われやしないかと思った がやがやするので振り返ると 釣り人らしき装備の男たちが 6~7名 船からおりて めいめいの車へ向かっていく なるほど 釣り船だったんだ 非合法の禁漁区と(立て看板に書いて)あったような気がする(が)>。

<そのあと 岩場でゆっくり写真を撮る 波の音がいい ・・・ 岩場の水たまりに 10センチくらいの黒い魚が 取り残されていた 死んでいるようだった。灯台の上には ひっきりなしに人影 今回も灯台に登らなかった 疲労(と) 密になるのが嫌(だった) 三百円払ったのに>。

潮岬灯台の撮影ポイント三か所、すなわち、潮岬タワー、東側展望スペース、東側の岩場で律儀に撮って、樫野埼灯台へ向かった。どのポイントも二回目なので、さほど心は動かなかった。

<移動 樫野埼へ向かう (その前に)海金剛(へ寄る) (遠目から樫野埼灯台を狙う) 三脚を立てる 元気が少し回復 すばらしい海景 (まさに筆舌に尽くしがたい!うまい言い訳の言葉を知っているではないか) 灯台はかなり小さい しずか 途中 ひとりだけ ボウズ頭の 白髪 魚屋のような男がきた 防寒靴をはいていたから バイク野郎かも(しれない) すぐにいなくなったか(と思ったら) うしろの東屋のベンチで ひざをたてて ひっくり返っていた もう一人は 小柄な女性 ちょっとこちらに会釈して 海をスマホでとって すぐにいなくなった ここでも少し粘る>。

海金剛から樫野埼灯台が見える場所は、前にもちょっと触れたが、椿小道の途中にある、ひと二人しか?立てない極小展望スペースと、行き止まりの展望スペースの海沿い柵際、七、八メートルしかない。したがって、この日は、まず極小スペースで撮って、そのあと、海沿いの柵際で粘ったというわけだ。したがって、ボウズ頭も小柄な女性も、海沿いの柵際で粘っていた時に見たのだろう。極小スペースの方は、小道から海側に突き出した場所だから、振り返らない限り、人の姿は見えない。ま、うしろで人の気配がすれば、振り向きもしようが、撮影に集中していたのだろうから、気づいたとしても無視したと思う。

撮影を終え、展望スペースから下りて、椿の小道を戻った。<日米修好館の前に また この(小柄な)女性がいた こちらに気づいて ちょっと会釈して 館にはいって行った なるほど 学芸員なのかもしれない 知的な感じだった 駐車場には おそらくは 彼女のうす緑の軽と 自分の(車)だけだった と 原チャリに乗ったじじいが なにしにきたのか 海を見にきたのか (小道の入り口で)夏ミカン?がなっているのを発見し その辺りを動き回っている>。

少し付け加えよう。おそらくは、小一時間、はるか彼方に見える樫野埼灯台を、望遠カメラなどで撮って、駐車場に戻ってきたのだろう。失われたというか、忘却の彼方にあった、記憶が少し蘇ってきた。駐車場の海沿いの柵際に、無人販売用の、小さな、崩れかかった台が置いてあった。前の日だと思うが、気まぐれに、近寄って、覗いてみた。こぶし大の、ごつごつした夏ミカンのようなものが、幾つか置いてあった。こんなものを、こんなところで買う人間がいるのだろうか?と思ったような気がする。

比較的きれいな公衆トイレで用を足し、さてと、出発しようとしたとき、駐車場の出入り口の方から、乳母車を押した、腰の曲がった老婆が、やってきた。一直線に、無人販売の台へ向かっている。あの婆さんが、庭木にでもなっている、ごつごつの夏ミカンを、乳母車に載せて、持ってきているのだろう。婆さんは、台の辺りで、ちょっと間、何かごそごそしていた。そしてまた、ゆっくり戻って行った。

きっと、この日課が、彼女の生きがいなのだろう。最果ての岬、無人販売用の崩れかかった台、色の褪めた乳母車、ごつごつした、見るからにすっぱそうな夏ミカン、もうこれだけで十分だった。感傷の波しぶきを避けるようにして、<海金剛>の駐車場を後にした。

[edit]

page top