此岸からの風景
<日本灯台紀行 旅日誌>オヤジの灯台巡り一人旅 長~い呟きです
2020
07/06
Mon.
10:47:49
<灯台紀行・旅日誌>2020
Category【灯台紀行 犬吠埼灯台編】
<灯台紀行・旅日誌>#9
駐車場に戻った。布の大きめなトートバックに、飲料水などを放り込み、重いカメラバックを背負った。長い階段を下って浜へおりた。もう暑くなり始めていた。下見しておいた場所へ一直線に向かい、石の腰掛に荷物を置いた。柵沿いに三脚を二本立て、犬吠埼灯台にカメラを向けた。
三脚は二本持参している。一本はジッツオの使いやすいもの。もう一本はベルボンの、やや使い勝手が悪いもの。それぞれに望遠ズーム、標準ズームつけて撮影するつもりだ。要するに、柵沿いに三脚を二本並べ、近めと遠目で撮るわけだ。
が、いざ実際、二台のカメラで灯台をモニターすると、ベストアングルというものは、ほぼ一か所なので、当たり前だ≪ベスト≫なのだから、多少の近い遠いはあるものの、画面は似たり寄ったりだった。それよりも、正面の海。空があって、雲が流れて、水平線があって、たゆたゆと波が押し寄せている。この風景を撮らないということはない!!!
というわけで、三脚は一本にして、望遠を手持ちで、浅はかにも、海と、ちょっと遠めの灯台を撮ることにした。そして、五分間隔のインターバル撮影を来る前から計画していたので、その手順に従った。
時計を見た。五分経った。三脚につけているカメラのファインダー覗いて、リモコンのボタンを慎重に押す。取って返して、望遠カメラを、後ろの石の上に置いてあるトートバックから取り出す。ぶれないように、柵に肘をしっかりつけて、まず、海を撮り、ほぼそのままの姿勢で、少し体を右にひねり、灯台を撮った。
この作業を、十一時半から、およそ二時半まで続けた。本当は、体力と気力が続いたのならば、日没後までやるつもりでいた。ところがどっこい、そうはいかない。久しぶりのアウトドア、しかも海岸だ。
セッティング作業のうちは、暑さをそれほど感じなかった。太陽の位置を、手のひらを天にかざして確かめ、ほぼ真上だな、などと思った。まだ余裕があった。
ところが、作業がひと段落して、一息ついたら、いきなり息苦しいほどの暑さを感じた。まず、足の甲が、焼けるように熱い。厚手の靴下をはいていたのだ。薄手の物に替えたかったが、車の中だ!!!パーカも厚手の物で、これにも参ったが、薄手は車の中だ!!!
…サンダルは車の中にあるが、この強烈な紫外線、直射日光を、直接浴びることになる。どうしようか?海辺にフードのついたパーカは必須、だが絶対、薄手での物でなければだめだ。撮影の手順を正確に守りながら、次回の教訓だな、などと思った。
何しろ、フードですっぽり、頬の真ん中まで覆い、サングラス、そのうえマスクだ。自分の風体を気にする余裕もなかったが、あとで、夕方になり、車のウィンドーガラスで見たのだが、これではまるでコンビニ強盗だろう!!!どうりで、後ろの遊歩道を頻繁に行き来する人から、話しかけられなかったわけだ。怪しすぎる!!!
…正直いって、海辺の暑さ、要するに紫外線と直射日光は、老人には、自分では老人とは思っていないが、かなりきつくて長時間の滞在は無理だ。もっとも、日陰で寝ているなら話は別だが、自分の場合は、五分ごとに、写真を撮らねばならず、悪いことに、その際には、サングラスを外さざるを得ないという不幸?も重なった。
だが、眼をやられたら最後だろう。二十年前の失明に瀕した時のことを、ちらっと思った。あの時以来、サングラスを手放したことはなく、外出する際には、財布と鍵と同様、必ず身につけている。念のため、今回も、替えのサングラスを用意してきたほどだ。
話を戻そう。カメラのファインダーをのぞく際には、どうしても、サングラスを外さなければならず、その時の紫外線が、やりきれないほど、きつい。こんな体験は今までになく、ほとんど苦行だ。でも、これはまずいだろう!!!何しろ目を守らねばならない。
と、あろうことか、サングラスを掛けたまま、ファインダーを見た。ま、窮すれば何とやらで、むろん、色が変わって見えるが、一発撮りとは違い、ほぼどんな感じに撮れているかは、了解済みだ。空や雲や波が、五分間で、どの程度変化しているかを確かめるだけでいい、のではないか。
眼は、これでだいぶ楽になった。熱中症を警戒して、頻繁に持参した水を、ペットボトルから飲んだ。また、手のひらを太陽にかざした。真ん中より少し西に傾き始めた。足の甲は、撮影中は、柵の陰に置くようにした。休憩中は、靴を脱いで、自分の体の影に入れるようにした。
御影の石に腰かけて、うつむいて、楽しい撮影どころではない、苦行にも似た時間を、じっと全身で受け止めた。五分ごとの撮影が、なんだかなおざり、モニターもしっかり確認していなかったぞ。それに四、六時中、パーカの背中が、焼けるように熱い。なんだか頭がすこし痛い。水はたくさん飲んでいるはずだが、少し気分も悪い、むかむかする。
ぼうっとした頭で、明日もあるぞ、ここで体調を崩すわけには行かないぞ。そうだよな、もう、限界だろう。そう思ったら、急に弱気になった。時計を見た。二時半だった。三時間頑張ったわけだ。迷うことなく、撮影を中止した。





駐車場に戻った。布の大きめなトートバックに、飲料水などを放り込み、重いカメラバックを背負った。長い階段を下って浜へおりた。もう暑くなり始めていた。下見しておいた場所へ一直線に向かい、石の腰掛に荷物を置いた。柵沿いに三脚を二本立て、犬吠埼灯台にカメラを向けた。
三脚は二本持参している。一本はジッツオの使いやすいもの。もう一本はベルボンの、やや使い勝手が悪いもの。それぞれに望遠ズーム、標準ズームつけて撮影するつもりだ。要するに、柵沿いに三脚を二本並べ、近めと遠目で撮るわけだ。
が、いざ実際、二台のカメラで灯台をモニターすると、ベストアングルというものは、ほぼ一か所なので、当たり前だ≪ベスト≫なのだから、多少の近い遠いはあるものの、画面は似たり寄ったりだった。それよりも、正面の海。空があって、雲が流れて、水平線があって、たゆたゆと波が押し寄せている。この風景を撮らないということはない!!!
というわけで、三脚は一本にして、望遠を手持ちで、浅はかにも、海と、ちょっと遠めの灯台を撮ることにした。そして、五分間隔のインターバル撮影を来る前から計画していたので、その手順に従った。
時計を見た。五分経った。三脚につけているカメラのファインダー覗いて、リモコンのボタンを慎重に押す。取って返して、望遠カメラを、後ろの石の上に置いてあるトートバックから取り出す。ぶれないように、柵に肘をしっかりつけて、まず、海を撮り、ほぼそのままの姿勢で、少し体を右にひねり、灯台を撮った。
この作業を、十一時半から、およそ二時半まで続けた。本当は、体力と気力が続いたのならば、日没後までやるつもりでいた。ところがどっこい、そうはいかない。久しぶりのアウトドア、しかも海岸だ。
セッティング作業のうちは、暑さをそれほど感じなかった。太陽の位置を、手のひらを天にかざして確かめ、ほぼ真上だな、などと思った。まだ余裕があった。
ところが、作業がひと段落して、一息ついたら、いきなり息苦しいほどの暑さを感じた。まず、足の甲が、焼けるように熱い。厚手の靴下をはいていたのだ。薄手の物に替えたかったが、車の中だ!!!パーカも厚手の物で、これにも参ったが、薄手は車の中だ!!!
…サンダルは車の中にあるが、この強烈な紫外線、直射日光を、直接浴びることになる。どうしようか?海辺にフードのついたパーカは必須、だが絶対、薄手での物でなければだめだ。撮影の手順を正確に守りながら、次回の教訓だな、などと思った。
何しろ、フードですっぽり、頬の真ん中まで覆い、サングラス、そのうえマスクだ。自分の風体を気にする余裕もなかったが、あとで、夕方になり、車のウィンドーガラスで見たのだが、これではまるでコンビニ強盗だろう!!!どうりで、後ろの遊歩道を頻繁に行き来する人から、話しかけられなかったわけだ。怪しすぎる!!!
…正直いって、海辺の暑さ、要するに紫外線と直射日光は、老人には、自分では老人とは思っていないが、かなりきつくて長時間の滞在は無理だ。もっとも、日陰で寝ているなら話は別だが、自分の場合は、五分ごとに、写真を撮らねばならず、悪いことに、その際には、サングラスを外さざるを得ないという不幸?も重なった。
だが、眼をやられたら最後だろう。二十年前の失明に瀕した時のことを、ちらっと思った。あの時以来、サングラスを手放したことはなく、外出する際には、財布と鍵と同様、必ず身につけている。念のため、今回も、替えのサングラスを用意してきたほどだ。
話を戻そう。カメラのファインダーをのぞく際には、どうしても、サングラスを外さなければならず、その時の紫外線が、やりきれないほど、きつい。こんな体験は今までになく、ほとんど苦行だ。でも、これはまずいだろう!!!何しろ目を守らねばならない。
と、あろうことか、サングラスを掛けたまま、ファインダーを見た。ま、窮すれば何とやらで、むろん、色が変わって見えるが、一発撮りとは違い、ほぼどんな感じに撮れているかは、了解済みだ。空や雲や波が、五分間で、どの程度変化しているかを確かめるだけでいい、のではないか。
眼は、これでだいぶ楽になった。熱中症を警戒して、頻繁に持参した水を、ペットボトルから飲んだ。また、手のひらを太陽にかざした。真ん中より少し西に傾き始めた。足の甲は、撮影中は、柵の陰に置くようにした。休憩中は、靴を脱いで、自分の体の影に入れるようにした。
御影の石に腰かけて、うつむいて、楽しい撮影どころではない、苦行にも似た時間を、じっと全身で受け止めた。五分ごとの撮影が、なんだかなおざり、モニターもしっかり確認していなかったぞ。それに四、六時中、パーカの背中が、焼けるように熱い。なんだか頭がすこし痛い。水はたくさん飲んでいるはずだが、少し気分も悪い、むかむかする。
ぼうっとした頭で、明日もあるぞ、ここで体調を崩すわけには行かないぞ。そうだよな、もう、限界だろう。そう思ったら、急に弱気になった。時計を見た。二時半だった。三時間頑張ったわけだ。迷うことなく、撮影を中止した。





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