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此岸からの風景

<日本灯台紀行 旅日誌>オヤジの灯台巡り一人旅 長~い呟きです

2020

07/16

Thu.

12:41:16

<灯台紀行・旅日誌>2020 

Category【灯台紀行 犬吠埼灯台編

<灯台紀行・旅日誌>#13
その快晴の直射日光を受けながら、五分間インターバル撮影を続けた。いつしか、浜の若者たちもいなくなっていた。きらきらと光る海面は、しだいに右の方へ遠のいていき、海は静かになっていった。ただ、水平線の手前、沖を行き来する船が多くなったような気がする。いろいろな船影があり、速度もそれぞれで、見ていて飽きない。

と、いきなり、背後から声がした。今回の四泊五日の撮影旅行では、二人の男から話しかけられた。その一人、ほぼ爺に近いチャリに乗ったオヤジだ。「昨日も撮っていたよな、仕事か?」高圧的な感じでもなく、普通の感じだったので、その後、しばらく雑談した。内容は、ま、ほとんど忘れたが、覚えていることは、沖を行き来する船についての、爺の話だ。

「望遠で見てみな、あの船止まってるのか?動いているか?」そう言われたので、しかたなしにカメラを覗いた。大きな船影、フェリーだった。「かすかに動いる」と答えた。あとは「あの二艘の船、巻き網漁をしているんだ」と爺が聞かれもしないのにしゃべっている。一応話を合わせて「今は何が捕れるんですか?」「びんちょうマグロ、知ってるだろ」<びんちょう鮪>と聞いて意外だった。マグロなどは、もっとずっと沖の太平洋の真ん中にいるような気がしていたのだ。

そもそも、この爺は何者だ。乗っているは汚いチャリ、早朝の散歩者なのだろうか。ま、どうでもいいが、その爺との雑談もじきに終わって、後姿を目でおった。…なるほど、沖を頻繁に行き来していたのは、漁船なのか。朝っぱらに、仲間と魚を捕って、すぐ近くの銚子港へ売りに行く。漁師、自分のまったく想像もつかない生活をしている人間たち。世界は不可解、でも、俺の知ったことではない!奴らだって、俺の生きている世界は不可解なのだ。

御影の腰掛石の前にしゃがみこんだ。柵に両肘をついて、顎を両手の手のひらに、あるいは、手の甲にのせたりしながら、少年の気分になって、沖を眺めた。辺りを見回しながら、少しぶらぶら歩いたり、ビスケットを齧り、ペットボトルの水を少量ずつ飲んだ。辺りをうかがい人影がないのを見計らって、おしっこ缶に用を足したりもした。退屈なような、無駄なような、意味のないような、それでいて、かけがえのない貴重な時間なのではないかと思ったりもした。

時計を見た、十時半だった。十一時半までは粘るつもりでいた。その一時間が長かった。要するに、六時から撮り始めて四時間半以上すぎている。体力的にも気力的にも、長時間過ぎる。精神が散漫になっていたのだろう。撮影画像のモニターも、かなり雑、おざなりになっていた。撮影しているのか、時間を消化しているのかよくわからない状態。要するに、最後の方は、ぼうっとしていたのだろう。

雲一つない青空、快晴の浜辺で五時間半、写真を撮りながらも、とりとめのない時間を過ごした。昨日のような暑さ、不快は感じなかった。まずもって、海からの風がかなり吹いていて、暑さを和らげてくれた。日射は最大限に厳しかったが、準備と心構えが違った。なんとかやり過ごした。

三脚をたたみ、カメラバックを背負った。五、六歩行きかけたところで、振り返った。忘れ物はないな、念のための行動が自動化している。忘れ物の確認をしないで、一度ならずも痛い思いをしている。砂地を歩いて、高台の駐車場へ向かった。これが意外に体力を消耗する。長い急な階段がきつかった。疲れている。四時起きして動き回っているのだから、当然だ。

車の中は蒸し風呂状態だった。すぐにエアコンを入れて、窓にシールドを張った。ズボンやパーカなども脱ぎ、すぐに横になった。一応、耳栓もした。車のエンジン音が小さくなった。眠ろうと思った。苦労せずに、そのうち、起きているのか寝ているのかよくわかない状態に陥ったようだ。夢心地。…蒸し暑くて不快、エアコンを強くした。またうとうとした。

目が覚めた。二時過ぎだったかもしれない。とたんに大きなくしゃみ、五連発。これは、アレルギー性鼻炎の発作で、非常によくない。というのも、自宅なら<ザイザル>を飲むという選択肢もあるが、眠気とだるさがきついので、旅の間はできるだけ飲まないようにしたいわけだ。ま、さいわい、世の中、マスク着用が常態化しているので、最悪の場合は、テッシュで鼻栓をすることで、しのぐこともできる。

さっと身支度をして、サンダル履きで車の外に出た。疲労が少し回復している。一応、カメラを一台首にかけた。犬吠埼灯台を、広場やや右からスナップするつもりだ。時間的には、午後の光になっていて、思ったとおり、やや赤っぽくなっている。ま、いい、これも一興だ。

<テラステラス>に入った。窓際のカウンター席に座って、昨日と同じカレーを食べた。と、斜め後ろで、中国人か?大きな声でしゃべっている。少し眉をしかめて振り返ると、ソフトクリームをほおばった、間抜け面の若者だ。むろん、咎めるつもりなどはない。が、その後すぐ静かになり、いつの間にか、その一団はいなくなっていた。

すぐに食べ終えて、トイレに寄った。少し排便して、温水で洗浄してすっきりした。ただ、コロナ菌のことが頭から離れず、念入りに手を洗った。きれいな施設だが、トイレに関しては、話は別だ。この時期、外で排便はしたくなかった。神経質なところがある。それに、同じ行動を繰り返す習性もある。同じものを、同じ場所で食べることがよくあった。

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