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此岸からの風景

<日本灯台紀行 旅日誌>オヤジの灯台巡り一人旅 長~い呟きです

2020

12/02

Wed.

11:05:55

<灯台紀行・旅日誌>2020 

Category【灯台紀行 新潟・鶴岡編

<灯台紀行・旅日誌>2020新潟・鶴岡編#11
鼠ヶ関灯台撮影4

車に戻った。あまりに暑いので、バックドアを開け放して、着替えなどをした。駐車場には、三、四台車が止まっていた。あと二、三台で満車だ。と、目の前の土留めコンクリに、何やら警告文が張ってある。要するに、ごみは持ち帰れ、とくに、磯釣りに来た人間のマナーがよくない、とのこと。駐車場が、どこの管轄で、誰が管理しているのか、むろん知る由もない。だが、業を煮やしたのだろう。<警告文>に怒りが出ている。

旅中に出たごみは、自分の場合、だいたいはパーキングのごみ箱に捨てるようにしている。だが、海、山、川、観光地、道路や駐車場など、平気でごみを捨てていく輩も多い。どういう神経をしているのだろう。一種の嫌がらせなのか、理解できないことの一つだ。

車の中に入った。蒸し風呂のようだ、なんてもう書きたくない。暑いのは、当たり前になっていた。すぐエアコンをつけ、窓にシールドを張り、仮眠スペースに滑り込んだ。少し眠るつもりでいた。耳栓もちゃんとした。だが、何となく眠れない。

起き上がって、胡坐をかいた。カメラを引き寄せ、撮影画像のモニターなどをした。まずまずだなと思った。また、横になった。駐車場はすこし傾いていた。したがって、車も傾いていた。寝る時に頭の位置が下がっているのは、生理的に受け付けない。いきおい、頭の位置が運転席の後ろになった。車が水平なときは、バックドアーの隅に枕を置いて寝ている。いつもとは反対側に寝ているわけで、何となく落ち着かない。それでも、しばらくは、じっとしていた。

だが、うとうとしかけると、車の出入りとか、人の声とかで意識が引き戻される。それに、エアコンは効いているものの、なんだかむし暑い感じで不快。第一、この駐車場の立地がよくない、道路に面しているし、ときどき車の出入りもある。そうだ、展望台のベンチで横になろう。あそこなら日陰で、それに風も吹いていた。車外に出た。日除けシールドは、運転席側の窓だけを外して、そのままにした。隣には、平台のガタガタな軽トラが止まっていた。運転席の窓が少し開いている。が、人は乗っていない。明らかに、何かの作業に使っている車だ。

便所の脇を通って、浜辺に出た。左手の展望台には、なんと、人がいた。まったく予想していなかったことだ。というのも、午前中に休んだ時には、誰一人来なかったし、静かな場所だったのだ。ちらっと横目で、ベンチに座っている人間を見た。一瞬で、軽トラの作業員であることがわかった。中年の、くすんだ色の開襟シャツを着た男だった。ちょうど昼時、休憩しているんだ。

ま、この辺り一帯、日陰などほとんどない。致し方ないことだ。すごすごと車に戻った。おそらく、十二時半過ぎだったと思う。シールドのおかげで、車内は、さほど暑くなかった。一定の効果はあるなと思った。さてと、この炎天下、行く当てもない。また横になって静かにしていた。というか、涼んでいた。

と、いくらもたたないうちに、隣の軽トラが出て行った。昼休み終了。このあとまた仕事だ。どんな作業をしているのか、想像することもしなかった。俺だって、生活のために、それなりの苦労はしてきたんだ。炎天下の作業員に同情する立場の人間じゃない。むしろ、同類に近い。もっとも、今はそうした苦労からは解放されている。だがそのかわり、歳を取って、ジジイになってしまった。

少し、意識が遠のいた。何を考えていたのだろうか?夕日に染まる鼠ヶ関灯台!やっぱり夕方まで粘ろうかな、などと決着のついた問題を蒸し返していたのかもしれない。くどいぞ、セキネ!うるさいな、いや、隣で車のドアの開け閉め、子供の声、親の声。眠りかけの時は、外界の音が、ことさら、大きく聞こえる時があるものだ。むくっと起き上がり、シールドを少しめくって、外を見た。黒っぽい乗用車。家族連れの観光客だな。午後の一時半になっていた。

そうだ、海辺と平野では、最高気温になる時間が違う。と、テレビで見たような気がする。ウソかホントか、定かではない話だ。普通は、午後の二時前後が一番暑い。だが、海辺はそれより二時間ほどピークが早い。ということは、ここは海辺、暑さのピークは過ぎたわけだ。ま、いい。眠気も覚めていた。浜辺があまりに暑いようなら、展望台で休憩だ。

装備を整え、浜へ出た。横着して三脚は持って行かなかった。と、またしても、展望台に人。若い。一人は女子高生。格子柄のスカートは制服だろう。もう一人は十代の男の子。白っぽいワイシャツ姿。日陰になっているテーブルで、向かい合って座っている。ふ~ん。そのうち引き上げるだろう。浜沿いの緩やかなコンクリ段々に少し下りて、灯台にカメラを向けた。駄目だ。もろ、逆光。海も空も、灯台も断崖も三角岩山も、すべてが紫外線でぼうっとしている。

午前中に、撮っておいてよかったよ。振り返った、高校生のカップルはまだいた。時間つぶし方々、砂浜沿いに歩いた。要するに、灯台からは遠ざかっているわけで、まだ撮っていない位置取りだ。と、何と言うか、休憩所のようなものがあった。コンクリの柱が四方にあり、天井にこれまたコンクリの梁が渡してある。したがって、日陰にはならない。柱に囲まれた中に、テーブルと腰かけがあるものの、強い日射が当たっている。座って休憩などできない。

また、展望台の方を見た。高校生たちは、日陰で涼しそうな顔をしている。こっちは、すでに汗だく。写真を撮る気力も失せていた。なおのこと、余計に暑い!辺りを見回した。日陰は全くない。しようがない。カメラバッグをテーブルにおろし、装備を解除した。つまり、カメラやポーチなどを首から外し、汗びっしょりのロンTを脱ぎ捨てた。

上半身裸になると、ほんの少しだけ涼しい。それに、柱の影に隠れれば、日射を多少防げる。給水して、望遠カメラを手に取った。柱に身体を押し付け、カメラをしっかり構えた。ぶれないようにして、逆光の灯台を撮った。まあ、これは高校生カップルが立ち去るまでの言い訳だ。裸で、ぼうっと突っ立っているわけにもいかないでしょ。何としても、日陰の、海風が吹き抜ける展望台で、ゆっくりしたかったのだ。

ところが、待てど暮らせど、高校生たちは立ち去らなかった。もう限界。身支度を整え、未練たらたら、辺りを散策した。公園のような感じの場所だったのだ。いま、撮った写真で確認すると、公園正面のモニュメントには<マリンパーク 鼠ヶ関>とあった。立派な台座の上に大きな錨が鎮座している。たしか、近くまで行って、本物なのかオブジェなのか確かめたような気がする。だが、写真で確認しても、どちらなのか判然としない。それにしても、たかだが数時間のうちに、大小三つの錨を見たわけで、何か特別な意味があるのだろうか?と、今になって思った。

伸びあがって、またしつこく展望台を見た。まだ居ます。時計を見たのだろうか、メモには<二時半引き上げ>とある。宿へ戻るのに二時間半かかるのだから、いい頃合いだ。展望台の下を通ったときに、ちらっと上を見上げた。清楚な感じの女子高生、なかなかの美人だ。男の子の方も、さわやかな感じで賢そうだ。いまだに、対面座り。海辺の展望台でデートしているわけか。まだ清い関係だと思った。いやらしいジジイだねえ~。

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