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<灯台紀行・旅日誌>&<花撮り物語>

<灯台>と<花>のフォトエッセー

2021

01/13

Wed.

12:11:05

<灯台紀行・旅日誌>2020 

Category【灯台紀行 南房総編

<灯台紀行・旅日誌>南房総編2020#8 移動~洲埼灯台

しかしながら、お決まりのことではあるが、幸せな時間は、長く続かなかった。遊歩道に、ガタイのいい男が現れた。一人だ。朝の散歩というか運動なのか?案内板などを気のない感じで見ている。<ベンチ>に座りたいのかなと思い、腰を浮かせた。だが、ガタイ男はこちらを振り向きもせず、また遊歩道を歩き始め、向こうへ行ってしまった。岩場の<ベンチ>を占拠して、どのくらいの時間がたっていたのだろうか。灯台も撮り、絶景も満喫し、哲学的思索?もした。潮時だな。引き上げ際に<ベンチ>の写真を丁寧にスナップした。

岩場から降りようとしている時に、例のガタイ男が、消えた方向から再び現れた。そして、ちょうど下に降り立った時、案内板の辺りで鉢合わせになった。むろん、会釈などしない。互いにシカとだ。岩場に登るのかな、とちらっと様子を見た。かわいくない奴だ!男は無表情のまま立ち去った。くすんだ茶のスポーツウェアを着た、体格のいい男が一人、月曜日の観光地で朝の散歩をしている。男が、この時間に、なぜここに居るのか、直感できなかった。話をでっち上げることもできそうだが、それすら億劫だった。

大きな雲が流れていた。不安定な空模様だ。遊歩道を駐車場へ向かって歩いた。何度か、歩きながら、灯台にカメラを向けた。<灯台は撮れた>と思っていたので、雑になった。真剣味に欠けていた。係船されている遊覧船を横眼でちらっと見た。むろん、客などいない。船長らしき爺が、所在ない感じでぶらぶらしている。爺の顔は、見事なほどに褐色だった。いかつい海の男、いや漁師の面構えだが、知性はまるで感じられなかった。

車に戻る前に、脇にあった、公衆便所で用を足した。この便所では、何回も用を足した。むろん大ではなく小の方だ。汚くて、くさいのは、当たり前のこととして甘受していた。とはいえ、毎回使用するたびに目についたものがある。洗面台の横に立てかけられた、なかば破損している黒い安物の三脚だ。そいつは、昨日の朝もあり、今日の朝もある。毎日掃除をしているならば、片付けるだろう。あるいは、忘れ物だからと配慮して、あえてそのままにしているのだろうか?確かなことは、なにひとつわからない。だが、観光地の公衆便所に、破損した三脚が放置されていたことは事実だ。いや、ただちょっと気になっただけだ。

駐車場に入った。何やら、おまわりが二人いる。車の下を覗きこんだりしている。黒い<ポルシェ>だ。隣にはベージュの<軽>が止まっている。それぞれ、若い男と若い女性がそばに立っている。一見して、事故だとわかった。たぶん、<軽>が<ポルシェ>に接触したのだろう。

車をバックで出した。一人のおまわりが、目の前で、まだ<ポルシェ>の検分を続けている、Uターンして、別の出口から出てもいいわけだが、この時は、何となく、野次馬根性が出た。現場をよく見たかったのだ。車の進行方向に、おまわりが立ちはだかっている。いや、懸命に職務に励んでいる。<軽>のナンバープレート見た。<足立>ナンバーだった。<ポルシェ>の方は、ちょっと見えなかったような気もする。ただ、不愛想な表情で突っ立てる若い男は、いかにも金持ちの息子、といった感じだった。

若い女性の方は顔面蒼白、おろおろしている。そばにもう一人のおまわりがいた。駐車場の通路の真ん中に車を停止して、ハンドルに腕をかけ、成り行きを見守っていた。じきに、女性とそばにいたおまわりが、この事態に気づき、検分を続けているおまわりに合図というか、目配せする。だが、検分おまわりは、気づいてか気づかないのか、無視している。

気づかないはずない!通路で車が立ち往生しているのだ。それも自分が通路をふさいでいるがために。要するに、検分おまわりの言い分はこうだ。仕事中なんだ、Uターンして出て行け!ちょっとカチンときて、少し車を前進させた。目の前におまわりがいる。さすがに、検分君は、脇に寄った。ただし、すれ違いざまに、窓に顔を寄せ、睨みつけてきた。若い警察官だった。

駐車場を出た。後味が悪かった。朝っぱらからの事故で、近くの駐在所からバイクで駆けつけた若い警官に、一瞬なりとも、腹を立てたのだ。むろん、警官にも落ち度はあるだろう。駐車場の通路で立ち往生している車に、何らかの指図をすべきだろう。ま、それにしても、年甲斐もないことをしたと反省した。

見通しのいい<房総フラワーライン>を走った。車はほとんどいない。だが、気分は良くなかった。若いおまわりの権力的な態度、それから、<ポルシェ>の若い男の尊大な態度が思い出された。<ポルシェ>は大きく凹んではいなかった。ちょっとした擦り傷だろう。大げさなような気がしたし、何にもまして、若造が<ポルシェ>に乗っていることが気にくわなかった。いや、待てよ、父親から借りてきたということも考えられる。傷つけたら怒られる。物損事故扱いにして修理させようという腹なのか?

もういいだろう。外の景色が目に入ってこなかった。気づいたら、洲埼灯台へと向かう分岐へ来ていた。右折して、昨日も寄った、多少きれいな公衆トイレの駐車場に車を止めた。用を足し、一息ついた。カメラを取りだし、道の方へ少し出て、岬の上にある白い灯台を撮った。背景に青空が広がっていた。とはいえ、構図的には、イマイチどころか、イマサンくらいで、写真にはならない。ま、記念写真だ。

灯台下の駐車場へ行った。昨日とはうって変わって、車は一台も止まっていなかった。外に出た。カメラを一台首にかけた。駐車料金二百円を入れる木製の箱が、柱にかかっている。人の気配がしない。できることなら、所有者の爺さんに手渡したかった。階段脇の、商店の中を覗いた。し~んとしている。商店の脇には、ちゃっちい休憩所があった。その奥に続く、母屋の方を、伸びあがって見た。やはり人の気配はしない。金は帰りに払おう。用意した二個の百円玉をポケットにしまった。

灯台へと向かう、狭い、暗い階段を登った。三階くらいの高さだから、息が切れることもない。それに軽装備だ。洲埼灯台には、誰もいなかった。月曜日の午前中に灯台観光する奴は居ないのだ。ベストポジションは、昨日下見している。といっても、敷地が狭いのだから、北東海側の仕切り壁の辺りしかない。したがって、問題は、いかにきれいに撮るかだ。幸い、背景には、青空が見える。といっても、全体的にはやや曇り空。照ったり陰ったりだ。誰もいないので、少し粘った。

灯台の敷地は、南側と西側の展望がいい。海が見える。日が陰ると、灯台に背を向けて、海を眺めた。とくに、西側がいい。案内板によれば、富士山が見えるはずだ。その方向にじっと目を凝らす。と、何やら、それらしきものが見える。ダメもとで、一枚スナップした。その間、灯台には、二組の観光客がやってきたと思う。一組は老年の夫婦。この方たちは、ひととおり、静かに景観を眺めて、帰って行った。

もう一組は、おそらく学生だと思う。ダサい感じの四人組。彼らは、かなり長居した。おしゃべりは、ま、致し方ない。閉口したのは、<コーラス>だった!木製の展望デッキに上がってきて、自分は、すぐ横の仕切り壁に寄りかかり、海を見ていたのだが、リーダーっぽい奴が、何を血迷ったのか、いきなり歌を歌い出した。一節歌うと、続けて、周りの連中がハモリ始めた。それが、結構長い。黒人霊歌とかブルースならまだしも、いわゆる学生の<コーラス>曲で、聞いていると背中が痒くなるやつだ。

しかも、あきらかに、そばに人がいるのを意識している。否応なしに聞かされたこっちは、たまったもんじゃない。その、なんというか、これ見よがしの態度に、イラっとした。振りむきもせず、そばを離れて、完全無視を貫いた。ま、<コーラス>は、下手ではなかった。名の知れた大学の合唱サークルにでも入っているのだろう。それにしても、平日に、男四人で灯台見物とは、あきれたもんだ。そんなんだから、彼女ができないんだよ。ま、余計なお世話だな。

海に向かって、みんなで一曲ハモッて、気分がよくなったのだろうか。歌い出した奴が、皆に、<行きますか>と促した。なんだか、その言葉遣いにすらイラっとした。そばにいたサングラスのおじさんが、君たちの<コーラス>をどんな思いで聞いていたか、少しは考えた方がいい。だが、おそらく、彼らは他人の思惑など歯牙にもかけず、自信満々、堂々と人生を歩んでいくのだろう。

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