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<灯台紀行・旅日誌>&<花撮り物語>

<灯台>と<花>のフォトエッセー

2021

01/17

Sun.

11:03:32

<灯台紀行・旅日誌>2020 

Category【灯台紀行 南房総編

<灯台紀行・旅日誌>2020南房総編#9 船形平島灯台撮影

なんだか、気分が白けてしまった。依然として、照ったり陰ったりの空模様。これ以上粘ったところで、同じだ。それに、この後がある。時計を見たと思う。まだ十一時だった。これから三十分走って、次なる灯台、すなわち、昨日ポカして撮り損ねた船形平島灯台へ行くのだ。

灯台を後にした。狭い、暗い階段を下りた。今日も、屋根のブルーの土嚢が目に入った。ちょっと立ち止まって、母屋の方をうかがった。三、四枚の、ぼろきれのような洗濯物が、風に揺れていた。人の気配はない。階段から降りて、念のために、もう一度商店の中を覗いてみた。薄暗い。誰もいない。駐車料金を入れる柱の箱をちらっと見た。パスすることにした。昨日払っているしな、と罪悪感をなだめた。

走り出した。公衆トイレにまた寄って、用を足した。ふと、二百円払わなかったことを、すごく後悔した。いますぐ戻って、箱に入れよう、と思った。でも、実行しなかった。思い出したくもないが、似たようなことを何度もやってきたような気がする。カネのことじゃない。心の問題だ。駐車料金を踏み倒したのは、そのほんの一例なのだ。たかが二百円、されど二百円、か!

あっという間に、館山の市街地に入った。平日の月曜日、昨日にぎやかだった海岸通りは閑散としていた。砂浜沿いの駐車場にも、ほとんど車が止まっていない。静かでいい。船形の信号をナビに従って左折した。漁港に入る手前を右折、左手の広々した係船岸壁をやり過ごし、少し行くと、視界が開けた。

ナビに指定した神社が道路際に見えた。左手には、腰高のコンクリの防潮堤が続いている。なんとまあ、都合のいいことに、道路の幅が広がっていて、防潮堤際に駐車できるようになっている。おそらく、これは、海の中の灯台を見るために造成されたのだろう。

<船形平島灯台>。灯台本体は、例の特徴的な防波堤灯台の形だ。だが、そのロケーションが素晴らしい。海の中の岩場に立っている。しかも、陸からの距離が近い。ということはつまり、さほどの望遠でなくても、撮れるということだ。それに、夕日が、背後の海の中に落ちる。夕焼けの海に、シルエットになった岩場の灯台が浮かび上がる、という趣向だ。

日没前から日没後まで、防潮堤際に車を止めて、その光景をじっくり狙えるスペースが確保されているのもうれしい。事実、そうして撮った写真を、ネットで見た。あわよくば、自分も撮りたいと思った。だが、今回はその心づもりができていない。今日の夕方は、白浜に戻って、安房白浜灯台を撮るのだ。次の機会だな。館山あたりに宿を取って、またゆっくり撮りに来るさ。

さて、撮影開始だ。三脚に望遠カメラを装着した。防潮堤の縁を行ったり来たりしながら、ベストポジションを探った。しつこいようだが、問題は、灯台と水平線が、垂直に交わる地点を探すことだ。むろん、探せることができる範囲内でだが。はじめは、車を止めた真ん中辺で撮り、次に撮り歩きしながら、駐車スペースの右端まで行った。といっても五十メートルくらいか。だが、モニターすると、灯台が傾いている。あるいは、水平線が傾いでいる。

否応ない、三脚にデカいカメラを装着したまま、肩に担ぎ、右端から左端へ移動した。距離的には百メートルくらいか。駐車スペースの中ほどまで来た。防潮堤に並行に止まっている自分の車を見て、ちょっとの距離だが、このままバックして左端に移動しようと思った。ま、暑かったということもあり、とりあえずは、車内で給水だ。と、黒いSUVがぴゅっと来て、その、今まさに自分が移動しようと思った左端に駐車した。ま、しょうがない。あまり近づきすぎない程度にバックした。

車から三脚に装着したカメラを出した。と、黒のSUVから人が出てきた。上下グレーの地味な初老の男性だ。たしか、白髪だった。<撮影ですか>と十メートルくらい先から声をかけられた。感じは悪くなかった。意外であり、ちょっとどぎまぎした。海の中の灯台をちらっと見ながら、<あの灯台を>と答えた。そのあと、なぜか、言葉が出てこなかった。男性も、それ以上は声をかけてこなかった。そしてそのあと、すぐに車の中に引っこんでしまった。

その場に三脚を立て、海の中の灯台を撮った。モニターしたが、まだ垂直が甘い。さらに、左端へ移動した。その際SUBのナンバーを見た。同じ埼玉の<大宮>だった。なるほど、ご同郷だったのね。SUBの横を通り過ぎた時、窓越しに気配をうかがった。し~んとしている。同乗者がいるのかも、定かでなかった。

ちなみに、今回の旅で、唯一、話しかけられたのが、この男性だった。それもたった一言<撮影ですか>。これは会話になっていない。要するに、ホテルのフロント、あるいはコンビニでの会話は除外して、人間とほとんど話さなかったわけだ。ま、いつものことで、なんということもない。そもそも、人との出会いなど求めていないのだ。

防潮堤の左端に来た。三脚を置いて、灯台にピントを合わせた。撮った画像をすぐにモニターした。灯台と海の、垂直・水平の関係は、先ほどより悪化していた。明らかに傾いている。ということは、さっきの場所が、ベストポジションということか。自分の車が止まっている辺りを目で確かめた。あそこだって傾いていた!補正できるのだろうか、心もとなかった。

そうそう、明かりの具合と空の様子を記述するのを忘れていた。時間的には、お昼前後のトップライトで、全体的に、もあっとしていた。青空はなく、どんよりとした薄い雲に覆われていた。写真的には、難しい感じだ。きれいには撮れていないだろう。もっとも、この<船形平島灯台>に関しては、さほど気落ちしなかった。次回、捲土重来して、美しい夕景を撮るつもりなのだ。

三脚のカメラを左にふった。海の中の防波堤に、かわいい白い灯台が立っている。名前は、この時は知らなかった。昨日も、係船岸壁から撮っているが、見ている角度とロケーションが違う。今日の構図の方がはるかに良い。とはいえ、粘るほどの気持ちは出てこない。それに、雲行きがだんだん怪しくなってきた。引き上げよう。

駐車スペースの左端に、黒のSUVはなかった。そのかわり、軽トラと軽が止まっていた。外で、中年の女性と遊び人風の漁師が立ち話をしていた。来た道を戻った。すぐ右折して係船岸壁に入った。釣り人の車はほとんどなかった。昨日は、赤と白の防波堤灯台を撮るのに、ちょうどいい位置に爺がいた。しめしめと思い、三脚付きのカメラも持って外に出た。水際すれすれに、三脚を立て、構図を探った。しかしながら、空の様子が、ますますおかしい。曇ってきた。いまにも降り出しそうな気配だ。スマホで天気予報を確認した。たしかに曇りマークになっていた。

ほんの十分くらいで切り上げた。車に戻りかけると、どこからか、グレーの乗用車ひゅっと来て、すぐそばに駐車してきた。爺だ。昨日の爺だったのだろうか。確信は持てなかった。ただ、その態度、振る舞いから、明らかに、ここは俺の縄張りだ、ということが見て取れた。はいはい、わかりましたよ。すぐに車を出した。ついでだ、赤い灯台のそばまで行ってみよう。昨日は、釣り人がびっしりいたが、今日は、ほとんどだれもいない。漁港の中を走って、反対側の係船岸壁へ行った。

岸壁は工事中で通行止めだった。だが、脇から抜けられるようになっていた。たらたら走っていくと、左側に高い防波堤が現れ、その突端に赤い防波堤灯台が見えた。岸壁には、大き目な漁船が二艘ほど停泊していた。付近の空いているところに、二、三台乗用車が止まっている。これは釣り人の車だろう。ということは、駐車しても大丈夫、ということだ。

適当なところに車を止めて、外に出た。一応カメラを一台首にかけた。高い堤防の上には、釣り人が二人いた。知り合いのようだ。というのも、さっき、反対側の岸壁から、望遠カメラで親しげに話しているところを見ている。赤い防波堤灯台の前に来た。上の方が少しくびれている、とっくり型だ。そばで見ると意外に大きい。だが、ロケーションが悪い。左に無粋なコンクリの防波堤、右は小汚い巨大な筏のようなもの。それに、空は鉛色だ。

何枚か記念写真を撮り、すぐに引き上げた。車に乗って、今来た道を戻った。通行止めをかわして脇の悪路を走った。岸壁には、えんじ色の波消しブロックが並んでいた。正確に言うと、波消しブロックの、おそらく、鉄製の型だ。その中にコンクリを流し込んで、波消しブロックを作る。おそらく、なかのコンクリが固まったら、型を取り除くのだろう。だから、ずらっと並べているんだ。こう解釈した。初めて見る光景で、少し愉快だった。波消しブロック=テトラポッドは、一個、二十トンほどもあるようだ。今調べて、<へぇ~>だった。

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