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<灯台紀行・旅日誌>&<花撮り物語>

<灯台>と<花>のフォトエッセー

2021

02/07

Sun.

10:35:53

<灯台紀行・旅日誌>2020 

Category【灯台紀行 南伊豆編

<灯台紀行・旅日誌>2020南伊豆編#2
爪木埼灯台・神子元島灯台、午前の撮影。

視界のない山間(やまあい)から、少し開けたところに出てきた。といってもまだ山中で下り坂だ。いい加減疲れた。一息入れよう。車を止められそうなところを目で探しながら坂道を下った。と、道路沿いに、ちょっとした駐車場がある。ハンドルを切った。車の外に出て、深呼吸。ついでにスマホを見た。いい知らせが入っていた。もっとも、これは数日後に<ぬかよろこび>だったことがわかり、かなりがっかりした。ま、いい。長い<天城越え>で気分が低調になっていたが、このメールで俄然元気になった。

山道を下りきった。目指す爪木埼灯台は、もうすぐだ。左手に海が見える。ナビの画面をズームして覗きこんだ。海沿いの道から左折。マップシュミレーションした、見たことのある光景が目の前に広がった。駐車場はガラガラ。入り口に料金所があり、横づけすると、黒ぶちメガネの短髪、髭の濃い・浅黒い男性が上半身を出してきた。¥500払った。<今日は風が強いですね、お気をつけて>と、愛想のよい土産物屋の主人のような声だった。ちょっと意外だった。

かなり広い駐車場で、岬というか・山というか、その先端を整地している。崩れかけた売店が二、三あり、すたれた観光地の駐車場といった感じだ。外に出た。だあっと前が開けている。眼下には浜辺があり、整備された公園があり、右手からは岬がせり出している。お目当ての爪木埼灯台が小さく見える。ただし、残念かな、モロ逆光だ。なるほど、海から日が昇るのね。

だがまあ、ここまで来たんだ、行くしかない。駐車場を後にして、灯台へ向かった。坂を下りると、大きな案内板がある。なぜかその横に赤いポストもある。木製のアーチには<爪木崎>と大きく書かれていた。アーチをくぐると、海浜公園よろしく、そこかしこが花壇になっている。といっても、今の時期、花は咲いていない。ちなみに、冬には水仙が咲くらしい。

目についたのは、おそらく<アロエ>だろう、肉厚の細長い葉っぱの縁に・ぶつぶつがついている。<アロエ>の花?すぐには思い出せなかった。赤い細長い花が・閉じた傘のように密集している。そう、好きな花の一つだった。できれば、咲いているのを見たかったなと思った。ついでに言うと、水仙はノーサンキュー。何度挑戦しても、気に入った写真が撮れない。今ではすっかり諦めている。

花壇の中を行くと、道が二つに分かれる。岬へ登る道と・浜辺へ出る道だ。ちょっと迷ったが、浜辺方向へ歩いた。砂浜沿いに花壇がまだ続いているのだ。むろん、花は咲いていない。が、目の前が海、広々していて気持ちがいい。

ところで、爪木埼灯台の、撮影ポイントは、ネット検索したところでは、ほぼ二か所しかない。ひとつは、灯台正面?というか、扉のある方だから、正確には、背面と言うべきか?ともかく、灯台に続くコンクリの道があり、その周辺だ。もう一つは、東屋のある付近で、岬の上に立つ灯台を俯瞰する場所だ。東屋は、たしか二つあり、周りはちょっとした広場になっているはずだ。

浜辺の花壇が尽きたところに階段があり、岬の上に登れる。さして長い階段ではなく、息切れすることもない。登り切ったところに幅一メートルくらいのコンクリの道がある。表面がほとんど剥がれていて、その赤っぽい痕跡が、なんだか汚らしい。両脇に背の高い植え込みがあり、その間に灯台が見えた。逆光になっているので、真っ白というわけでもない。

この辺りから、いつものやり方で、本格的に、撮り歩きを始める。二、三歩行っては、必ずファイダーを覗き、シャッターを押す。すぐにモニターして、次に進む。植え込みの切れたところが、一つ目のベストポイントだろう。大型のススキが海風になびいていて、左右が開けている。ただし、通路上にいる限り、このコンクリ通路が映り込んでしまう。どうも気にいらない。脇によけるしかない。ちょうどススキの手前に、おあつらえ向きの場所があった。

なかば腐りかけた・枯草の堆積の中に踏みこんだ。大型のススキを左側に入れて、かなりしつこく撮った。要するに、この辺りがベストポジションなのだ。とはいえ、逆光。空の色が飛んでいる。写真にはならない。でもまあ、今この瞬間、自分が灯台と対面しているという雰囲気は出ている。写真の良しあしは、さほど気にならなかった。

コンクリ通路に戻り、撮り歩きしながら、さらに灯台に近づいた。根元まで行き、灯台に沿って、まさに<灯台の正面>に出た。目の前には、海が広がっていた。ただし、しつこいようだが、逆光なので、海の青さは感じられず、眩しすぎて、長くは見ていられない。すぐに引き返した。今度は、戻りながら、二、三歩行っては立ち止り、ふり返ってシャッターを押した。いわば、撮り歩きの復路だ。

ちょうど、灯台の頭に、太陽が来ている。これは都合がいい。つまり、太陽を灯台の頭で隠すことができる。多少減光することができるので、同じ逆光でも、またちょっとニュアンスが違う。ま、それでも、空の色は飛んでしまっている。写真的には無理だろう。だが、逆光の中で見る灯台、このタッチは好きなのだ。

背の高い植え込みまで、戻ってきた。写真はこれまで。すたすたとそのままコンクリ通路を歩いて、東屋に着いた。横に、ステンパイプの大きなハートがある。正面にまわって、ハート形に区切られた空間の中を、ちょっと腰をかがめて覗く。なるほど、背景に灯台がきちんとおさまっている。記念撮影のスポット、であるわけだ。一応、ハート形とその向こうに見える灯台をスナップした。灯台を若い人たちにアピールするための、あれやこれやの方策の一つで、おじさんには関係のないことだが、別に悪い感じはしなかった。

奥にある、もう一つの東屋へ行った。岬の上の灯台を撮るなら、どちらかといえば、ここからのほうが、写真的にはいい。おそらく、ここが二つ目の撮影ポイントだろう。ただし、手前の柵が邪魔で、何となく気に入らない。それよりも南西方向の海の中にある、神子元島=みこもとじま灯台が気になった。まさか見えるとは思っていなかったので、少し気持ちがざわついた。

下田湾からは、約10キロ先の海上にある、この白黒の灯台にはチャーター船を仕立てて上陸するほかない。いまの自分にとっては、近づくことのできない灯台の一つだ。ささっと三脚を組み立て、望遠カメラをセットした。最大400㎜の望遠でも、全然とどかない。豆粒のようだ。最低でも1000㎜は必要だろう。そんなレンズは100万円以上する。慎重に構図を決め、レンズ側のVRをオンにして、手で三脚を押さえつけ、指でゆっくりシャッターボタンを押した。要するに、海風が強くて、三脚が揺れる。ミラーアップのリモート撮影だと、逆にぶれるのだ。

海は少し荒れていた。ところどころに白波が見える。白黒の灯台は、茶色い岩礁の上で凛として動かない。一瞬、自分がプロのカメラマンなら、100万以上するレンズを買うかもしれない。撮った写真がカネにつながるわけだからな。でも今は、この豆粒大の灯台で十分だ。けっして、近づくことができないということに、満足していた。灯台だけじゃない、手の届かぬものは山とある。だが、手にした瞬間、指の間からこぼれ落ちてしまうことだってあり得るのだ。ならば、じたばたしないで、静かに見ているほうが、悲しいことではあるが、幸せなのではないか。強風で青い海の表面が逆立っていた。写真がぶれないように、三脚とカメラをぐっと押さえつけ、またシャッターを切った。

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