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此岸からの風景

<日本灯台紀行 旅日誌>オヤジの灯台巡り一人旅 長~い呟きです

2021

08/25

Wed.

10:43:09

<灯台紀行・旅日誌>2020 

Category【灯台紀行 福島・茨城編

<灯台紀行・旅日誌>2020福島・茨城編#5
高速走行~塩屋岬灯台撮影1

二日目
<6時前に起きる 昨晩夜8時前後に物音 人の出入り うるさい 夜中になってからは静か ほぼ1時間おきにトイレ>。あまり、よく眠れた感じでもなかった。だが、何しろ、寝たのが早い。おそらく、九時過ぎには寝ていただろう。眠りは浅いが、時間的には十分だ。それに、お決まりのように、六時過ぎたころから、ガタガタうるさいのがビジネスホテルだ。ぐずぐずしないで、さっと起きた、ような気がする。まずテレビをつけ、さっと洗面をすませた。朝食は菓子パンと牛乳、それと、持ち込んだ、皮をむくと、ところどころ黒くなっているバナナ。たいして腹も空いていない。これで十分だ。

排便を試みたが、ほんの少ししか出なかった。着替えて、荷物整理。それと、ざっと部屋の整頓。最後に、これもお決まり、部屋の写真を撮った。窓は嵌め込み式で、細い針金の入った強化ガラスだった。見ると、街並みの向こうに低い山並みが見える。少し紅葉している。左から朝日が昇っているようで、町全体が仄かなオレンジ色に染まり、建物に長い影ができている。いわば、地方都市の、静かな朝だ。窓越しに、何枚か撮った。この時<大震災>のことは、まったく失念していた。

<7:00 出発 近くのローソンで地域クーポン¥1000 消化 (鯖缶3 牛乳 おにぎり)>。付け加えよう。地域クーポン券で、夕食などの食料を調達するのが、一番経済的だと思った。だが、朝っぱらから、夕食の弁当を買うわけにもいかないだろう。車の中に置いておく時間が長すぎる。それと、クーポン券は相馬市でしか使えないのだ。このまま高速移動してしまえば、無駄になる。で、常備食糧である<鯖缶>なら、買っておいても無駄にはなるまい、と考えたわけだ。小者の考えそうなことだ。何とでも言え!

<7:20 高速>。相馬インターから小一時間、高速走行。今日は、昨日来た時とは違い、放射線量に対する恐怖心もなく、興奮もしていなかったので、帰宅困難区域の惨状を、運転しながらではあるが、じっくり見定めた。まずもって、整然と区画されている田畑が、草ぼうぼう。住居は健在だが、人の気配が全くしない。これは昨日も見た光景だ。さらに今日は、変にのっぺりした、更地になった田畑だ。そのすぐ横は草ぼうぼう。なるほど、そばに除染した土嚢袋が並んでいる。

なんだか、頭がくらくらした。あんなことをやっても、無駄なのではないか。いや、無駄ではないかもしれないが、どのくらいの時間と労力がかかるのだろう。おそらく、誰も答えることはできまい。田畑の除染がいかほど有効なのか。さらに、広大な森や林は、除染の対象にはならないのか。畢竟、除染は田畑だけでいいのか。放射能で汚染された土地と空間はどうなるのか。もっと言えば、そこで生息している生き物や植物はどうなるのか。何もかもがデタラメで、小役人が小細工を弄しているようにしか思えなかった。世界の空白、喪失、人間への不信感で、頭が膨れていくような気がした。

<四倉>で高速を降りた。たしか、来る時にトイレ休憩した小さなパーキングの名前も<四倉>だった。料金は¥1500くらいだった。一般道に入った。そこは、田畑の中をうねうね行く、交通量の少ない地方道だった。すぐそばに低い山並みが見える。旅に出れば、よく出くわす、見慣れた光景で、刈り取りの終わった稲田は、どこか清々していて、長閑だ。生命力がありすぎて、刈り取られた後でも成長し続け、青葉が出てくる。以前、農夫から聞いた話で、秋冬に、稲田が緑になっている理由だ。唐突だが、<いのち>のかけがえのなさを思った。それゆえに、なおさら、憤怒した。

塩屋埼灯台の案内標識が出てきた。左手に海が見えてきたと思う。と、彼方向こうの岬の上に、逆光でぼうっとしている灯台が見えた。防潮堤沿いに広めの駐車場があり、トイレらしき建物も見える。車を入れる。外に出て、望遠で灯台を狙うが、遠目過ぎて勝負にならない。しかも、モロ逆光だ。用を足して、すぐに道に戻る。

さらに、海岸沿いの広い道を進んでいくと、何やら、ガードマンがいて、通行禁止らしい。窓開けると、女性のガードマンが来て、この先は、灯台までしか行けません、と言う。灯台を撮りに来たんで、と言って通してもらう。左側は依然として巨大な防潮堤。駐車スペースはあるものの、柵で仕切りがしてある。止めることはできない。そのまま突き当りまで行く。

土産物店らしき建物があり、駐車場になっている。ネットで見た、美空ひばりの碑と、写真付きの大きな掲示板もある。ちなみに、なんで<美空ひばり>なのかと言えば、<みだれ髪>という曲が塩屋岬を題材にしているからだ。写真付きの黒御影の碑の前に立つと、あとで知ったことだが、センサーがついていて、ひばりちゃんの歌声が流れる仕掛けになっている。若い頃、美空ひばりの歌はひと通り聞きこんでいたので、むろん、<みだれ髪>も知っている。サビの♪塩屋の岬♪の部分は、頭にこびりついている。昭和の大歌姫、日本の女性歌手の中では一番好きかもしれない。なにしろ、歌がうまい!

戻そう。ちょうど、灯台への上がり口の前が空いていた。駐車して、装備を整え、いざ出発、灯台に登り始めた。これが意外に急で長い。途中に眺めのいい所があったので、一息入れた。北東側の海だ。きれいに弧を描いた砂浜があり、海の中に、白い防波堤灯台らしきものが見える。ここにも<大津波>が押し寄せてきたのだろう。海沿いの、今さっき通ってきた広い道は、真新しい高さ五メートル以上もある防潮堤で、がっちり守られていた。いちおう、首にかけているカメラで、この光景を何枚か撮った。ただ、新設された道路や防潮堤は、いまだに、この景観の中に溶け込めていないようで、少し違和感を感じた。

さらに登っていくと、視界が開け、目の前に、背の高いステンレスの柵が見えた。どうやら、灯台敷地の入り口だ。その手前は、やや広い、コンクリのたたきで、まず目に入ったのは、白い大きなラッパだ。これは、灯台巡りを始めてからは、よく目にするもので、<霧笛>だね。あとは、断崖側に柵があり、その向こうに、岬に立つ白い灯台が見える。長い紐にくっついている万国旗が風になびいている。十一月の一日が、<灯台の日>だそうで、なにか催しをやったのだろう。その名残だな。

さっそく、柵に肘を立てて、何枚か撮った。だが、逆光気味で、よろしくない。ポーチに結び付けている<磁石>を見たのかもしれない。太陽の位置を確かめた。おそらく、午後になり、陽が傾けば、順光になり、灯台に日が差すはずだ。余裕だった。何しろ、今日は、陽が沈むまで、灯台で粘るつもりだったのだ。

灯台の敷地をがっちりガードしているステンレスの門をくぐった。左手が受付、正面右には、東屋があり、その下にテーブルとベンチも置かれている。なるほど、目の前は海だから、最高の休憩場所だ。受付で、念のために聞いてみた。あとでまた灯台を撮りに来るので、再入場できますか、と。大丈夫です、と受付のおばさんの声が聞こえた。しぶしぶ、というよりは、快く承諾してくれた感じが声音でわかった。ちなみに、自分のおばさんへの言葉は、実際には、ここで記述したようなものではなかったはずだ。もっと、何というか、要領を得ない、まどろっこしい日本語だったと思う。もっとも、こちらの真意は伝えられたのだから、問題はない。だが、もう少し、ゆっくり、言葉を選んでちゃんと話すことだってできたはずだ。それができない自分が、バカに思えることもある。しかし、また一方では、真意が伝われば、バカに思われてもいいや、と開き直っている自分もいるのだ。

¥300、払って、建物の横から灯台へ向かう広めの階段道に入った。両側が、やはりステンレスの柵で、そこに、地元の小学生たちだろう、子供たちが描いた灯台の絵がずらりと並べられていた。その絵たちに興味を持ったが、まずは灯台撮影だ。いつもの作戦で、撮り歩きを始めた。しかしね~、これはむずかしい!まずもって、階段道は、灯台と直線で結ばれているわけではなく、正確には、灯台入り口前の、ちょっとした広場へ向かっているのだ。

どういうことかと言えば、画面に、必ず、階段道の柵が入ってしまうのだ。断崖側の柵から身を乗り出してもだめで、いっそのこと乗り越えようかとさえ思った。だが、さすがにこれは自制した。人目をはばかる行為で、観光客がひっきりなしだ。それに、柵と断崖との間は、きれいに整地された、二メートル幅くらいの赤土で、足場の確保もおぼつかない。柵があるのには理由があるのだ。

なるほどね、ネットで見た写真が、みなイマイチなのが、よ~く理解できた。つまり、この階段道からの写真は、誰がどう撮っても写真にならないんだ。ま、それに、明かりの具合も、やや逆光気味。なんだか、緊張の糸が切れてしまった。いちおう、海側の柵に寄りかかりながら、眼下の、防波堤灯台を望遠で狙ったりもした。もっとも、こっちは、まるっきりの逆光で、全然写真にならない。

おそらく、ここまで、これといった写真は、一枚も撮れないまま、灯台本体の入り口まで来てしまった。もう、灯台の全景は撮れない。巨大すぎて、カメラの画面にはおさまらないのだ。ま、それでも、灯台の周りを、360度歩いた。白い胴体を見上げては、風になびく万国旗などをしつこく撮った。灯台写真というよりは、素人の観光写真だね。

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