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此岸からの風景

<日本灯台紀行 旅日誌>オヤジの灯台巡り一人旅 長~い呟きです

2024

01/23

Tue.

08:04:23

<日本灯台紀行 旅日誌>2021年度版 

Category【灯台紀行 網走編

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<日本灯台紀行・旅日誌>2021年度版

11次灯台旅 網走編

2021年10月5.6.7.8日

一日目 #5 地上移動

女満別空港に着陸した。着陸は、離陸に比べて、怖がっている暇もなく、あっという間だった。押し出されるようにして、閑散とした飛行場に降り立ち、ゆっくりと、何の変哲もないコンクリの建物に、吸い寄せられて行った。

あいにくの曇り空だったが、機内の雰囲気は、心持ち熱っぽかった。北海道に着いたぞ、といった感じだな。アナウンスが、前の座席の人から案内するから、そのほかの人は、荷物などは取りださないで、座ってて下さい、と言っているのに、後ろの若いカップルも、斜め前の中年の出張族も、立ち上がって、荷物棚から荷物を取り出しはじめた。すかさず、女性アテンダントが来て、やんわり注意している。なにしろ、最後部には、女性アテンダントが二人いて、機内に目を光らせているのだ。

そのあとは、順番通りだ。狭い通路での小競り合いもなく、粛々と機外に出て、空港内の通路を、さっさと歩いた。エスカレーターを下りると、一階入り口付近に、レンタカー会社の専用カウンターがあった。五、六社あったが、自分の予約していたNレンタカーに、多少、人が集まっている。

カウンターで、名前を言うと、大きな紙の番号札を渡された。<4>と書いてある。つまり、四番目に案内するということだ。ロビーで少し待っていると、出入り口に送迎用ミニバンが来た。運転手に、番号札を渡そうとしたら、営業所で受付するときに出してくださいと言われた。バタバタっとした感じで、車に乗りこむと、車には先客がいて、なんとなくせまっ苦しい。だが、出発すると、すぐにレンタカーの営業所についいた。

営業所のカウンターでは、三人体制で、客に対応していた。番号札が<4>なのだから、先の人の受付が終わるまで少し待った。応対したのは、ほんの若い坊やだった。動物との衝突事故が増えているので注意してくださいとのこと。狐かな、と自分が言うと、いや、鹿もいますと彼は答えた。オプションの<保険>に入らせるための営業トークだと思って聞き流した。とはいえ、これは、本当の話だったようだ。実際、夜道で大きな鹿に出っくわした。それも二晩続けてだ。

カードで支払いを済ませ、サインした。そのあと、四十代くらいの女性に先導されて、レンタカーのそばまで行った。シルバーのホンダのフィットだった。ギアシフトが、初めて触るものだったので、操作の仕方を少したずねた。あと、とりあえず、ナビに<のとりみさき>と設定してくれ、と頼んだ。ところが、読み方がどうのこうのと、手元のタブレットなどを見ていて、要領を得ない。すっと設定できないのだ。

ああ~ん、地元のレンタカー会社の従業員が、観光名所の<能取岬>の正確な読み方を知らない、だと~。もっとも、この時、自分も<のとろみさき>を<のとりみさき>と言っていたのだが。とにかく、名称検索ができないなら、画面上で指示することもできるでしょ。女性に画面を操作させた。灯台のアイコンが出てきた。そこだ、と言っているのに、こっちの言うことは聞かないで、中途半端なポイントで設定している。頼りない上に、謙虚さも欠けている。こりゃ、急ごしらえのパートだな。真面目に聞くことをやめた。あとで自分でちゃんと設定しよう。

エンジン始動、正面を見た。営業所は国道に面している。網走は、右か?と窓越しに、パートの中年女性にたずねた。すると、これまた自信なげに、左だと思いますよ、と答えた。おいおい、かんべんしてくれよ。でも、ま、これは信用した。

北海道の道をレンタカーで走りだした。午後の二時前だったと思う。小一時間で、能取岬灯台には到着できるはずだ。それにしても、どんよりした曇り空だ。今日は、撮影地の灯台の下見だけして、早めに宿に入ろう。ナビと道路標識を確認しながら、とりあえずは網走の市街地へ向かった。

途中、<メルヘンの丘>に寄った。ここは、通りすがりの国道沿いにあり、写真スポットになっている。曇り空で、写真にならないが、一応、広くなった路肩に車を寄せて、外に出た。いや~、さむい!空気がひんやりしている。リックサックから、ヒートテックを取り出し、ジーンズの下に穿いた。長袖シャツの上にも、パーカをきっちり着て、フードもかぶった。

さてと、向き直った。手前は、キャベツ畑だろうか?なだらかな丘の上に、樹木が何本か、間隔をあけて並んでいる。そのはるか向こうには、山が見える。なるほどね、お決まりだけれども、北海道らしい良い景色だ。だが、どんよりした曇り空。帰宅日は晴れるだろうから、その時には真面目に撮ろう。そう思って、四、五回、気のないシャッターを押して、すぐに車に戻った。

辺りを見ながら、60キロくらいで走った。交通量は少なく、走りやすい。要所要所で、大きく右方向に曲がって、網走の市街地に到達した。片側二車線の広い道だ。右側に<すき家>があり、宿泊するTビシネスホテルが見えた。その建物沿いに左折して、すぐに橋を渡り、少し行くと交差点の角に<セブンイレブン>がある。<食>と<住>の調達場所は、来る前にグーグルマップで確認済みだった。

そのうち、海沿いの道に出た。弓なりの砂浜が見え、その先端は岬だ。その岬に寄り添うように、大きなホテルが立っている。さらに走っていくと、ホテルの前あたりで、大勢の人が海に向かって竿を振っている。なにが釣れるのだろう?と思いながら、岬の急な坂を上った。

登り切ると、視界が開け、両側は、少し紅葉した森だった。その中を、道路が一直線に走っている。気持ちがいい。ふと、おやっと思った。道路脇に、赤白だんだら模様の電信柱のようなものが等間隔に立っていて、上の方に下向きの矢印が付いている。お初のモノだ。その矢印の先に視線を落とした。歩道と道路の間にある縁石だ。その瞬間、理解した。積雪したときの注意喚起だ。この矢印の下が、道路と路肩の境界を表している。なるほど、北海道らしい。愉快な気分になった。

備考 この矢印は<矢羽根>という。正式には<固定式視線誘導柱>というらしい。

そのあとも、紅葉を楽しみながらの、快適なドライブだった。と、久しぶりに、ナビの案内があって、道を右折した。少し行くと、正面に、おおっと、海を背にした、白黒灯台が見えた。両脇は森で、要するに、道路の先に灯台の上半分くらいが見えたのだ。

あわてて止まった。車から降りて、道路の真ん中に立って眺めた。写真に撮るには、もう少し先の方がいいかな。また走りだした。だが、この判断は間違いだった。道が波打っていたからで、すぐ下り坂になり、灯台は、道のうねりに邪魔されて、さっきよりも見えにくくなった。

一瞬戻ろうかなと思ったが、走り出すと、ぱっと視界が大きく開けた。緑の丘の下に、オホーツク海を背にした、白黒の<能取岬灯台>の全景が見えた。心の中で、おお~っと声をあげた。

一日目 #6 能取岬灯台下見

能取岬灯台に着いたのは、午後の三時頃だった。残念だが、曇り空。写真にはならない。でも、ま、明日の下見だ。気を取り直して、車から外に出た。寒い!真冬の寒さだ。急いで、ウォーマーを上下着用した。念のため、ネックウォーマーと手袋もした。

さほど広くはない駐車場には、二、三台車が止まっていた。だが、人の姿はどこにも見えない。先程の、丘の上からのすばらしい光景は、事前のネット検索では、見つけ出せなかった。ま、あとでゆっくり見に行くとして、まずは、灯台周りだ。カメラを一台首にかけ、歩き始めた。

灯台へと向かう歩道の前には、鉄のポールが何本か立っていた。つまりは、ここからは徒歩で行きなさい、ということだ。車やバイクは進入禁止!広々した、緑の敷地の中を歩いていくと、木製の大きな看板がある。<網走国定公園 能取岬 CAPE NOTORO >。あれま、<のとろ>とちゃんと書いてあるではないか。帰宅するまで、<のとり>だとばかり思っていた。

磁石を見て、方角を確認した、と思う。たしか、灯台の斜め右後ろが東で、斜め左前が西だ。ということは、登る朝日は後ろの山にさえぎられて拝めない。沈む夕陽は、というと、水平線が分厚い雲に覆われている。今日のところは定かではない。もっとも、灯台と落日方向が離れすぎている。絡めて撮ることは不可能だろう。

とはいえ、海を前にした場合、灯台には、右側から朝日が当たり始め、正午前には正面、そして日没時には左側から夕陽があたるのだろう。それに、周囲は、緑の芝草広場になっていて、どの位置からでも撮影できる。ロケーションとしては、やはり、予想していたとおり、最高だ。

ただし、しつこいようだが、今日のところは曇り空だ。いまにも降り出しそうな暗い、鉛色の空だ。それに、寒い。下見、といっても、イマイチやる気が出ない。それでも、ここまで来た以上は、見て回るしかないだろう。

とりあえずは、足元の悪そうな、緑の広場には踏み込まないで、歩道を、灯台に向かって歩いた。左側には、柵に囲まれた背の高い鉄柱が一本立っている。電波塔なのだろうか?その後ろに少し海が見えるが、ほんの少しだけだ。右側は、広場がゆるやかに傾斜しているからなのか?断崖沿いの柵が、多少波打ってみえる。

灯台の正面に来た。手前にえんじ色の一直線の歩道だ。ま、いわば<レッドカーペット>だな。その10メートルほど先に、灯台の入り口がある。灯台の下の方には、細長い長方形の建物があり、屋根の上には、太陽光パネルが、こっちを向いて、ずらっと並んでいる。<レッドカーペット>の上は歩かないで、そのまま、通り過ぎた。近づきすぎると、灯台の全景がカメラの画面に収まらないからだ。

すぐに広場の行き止まりで、断崖沿いの柵だ。その柵沿いに、つまり、北東方向には遊歩道があり、かなり先に、なにかのモニュメント(オホーツクの像)がみえる。灯台から遠ざかるだけで、行ってもしょうがないだろう、と自分に言い訳して、そっちには行かないで、柵にもたれ、正面の海を眺めた。海も、曇り空の時には、何の面白みもない。が、視線を右に移すと、はるか彼方に山並みが見える。それがどこなのか、あとで知ったのだが、知床半島だった。

柵沿いに、今度は、北西方向に歩き出した。ちょうど、灯台を右横から見る位置取りだ。絵面としては、正面よりも、なお悪い。背景は、多少開けていて、広場の東屋が見え、彼方には、幾重となく重なり合った岬が見える。見えるといっても、あまりに遠すぎて、それが垂れ込めている雲なのか、判別し難い。

さらに、灯台の前面、というか、自分が海を背にして灯台を見る位置取りだが、この辺りは、鉄柱を囲んだステンの柵が、灯台の左横、そのうちには正面にまでに出しゃばってきて、まるっきり絵にならない。写真すら撮らなかった。

なおも、断崖沿いの柵に沿って、回り込んでいくと、四人掛けの大きな木製テーブルと椅子のセットが、柵沿いに続いている。ここまでくると、鉄柱を囲んだステンの柵は、灯台の建物から離れ、絵面的には、まずまずだ。背景も、左に少し海が見え、右側は山並みだ。参考に、いったい何のための参考なのか定かではないが、何枚か撮った。だが、まだ、なにか物足りない。

柵から少し離れて、緑の芝草の中に踏みこんだ。灯台までの距離は、二十メートルほどだ。少し傾斜している広場には、木製のベンチが点在している。なかには崩れかかったものもある。多少、見上げた感じになるからだろうか?それとも、芝草の中にベンチが点在しているからだろうか?どことなく、優しい光景だ。

ここが、今まで見た中では、一番いい風景だと思った。数歩ずつ、前に行ったり、左に行ったり、下がったり、そしてまた右に行ったりと、ベストポイントを探しながら、あたりを撮り歩きした。灯台に近づきすぎてもいけないし、遠ざかりすぎてもいけない、などと真面目に考えたりもした。

そうこうしているうちに、最初の場所に戻ってきた。灯台の周りを360度回ったことになる。単に回っただけだが、それでも、今日の予定、やるべきことは果たしたわけだ。いや、まだだ。さっき、丘の上からちらっと見た、オホーツク海を背にした灯台の景観だ。そう、たしか、丘の上には、車を止める場所があったような気がする。

それは、坂の途中の道路際で、牧場への出入り口だった。車を止め、外へ出て、牧場を見渡した。建物はちゃんとしているが、人も馬も、生き物らしきものは何も見えない。ただ、牧草地は、きれいに刈り込まれていて、青々としている。念のために、牧場の出入り口をたしかめた。ロープが張ってある。しかも、かなり古びた感じで、出入りしている様子はない。たしか看板があり<美岬牧場>と書かれていた。

あの時は、閉鎖されたのだろう、くらいにしか思わなかったが、今ネット検索してみると<網走市営美岬牧場>とちゃんと出てきた。観光牧場らしいが、なぜか、HPは削除されていて、最近の様子はわからない。おもうに、コロナ禍で観光客が激減して、閉鎖されたのかもしれない。

とにかく、牧場への出入り口ではあるが、車の出入りがないのだから、安心して駐車できる。車の後ろに回ってリアドアを開け、中からカメラを一台取り出した。重い望遠カメラの方は、ま、曇り空だしなと言い訳して、持ち出さなかった。

さてと、今度は、灯台の方を眺めた。丘の先端に出れば、眼前に遮るものはなく、ほぼベストポジションだろう。手前は、草深い感じだが、一応除草されている。踏み込めないこともない。それに、都合がいいことに、道路際に柵はなく、溝を渡れば行けそうだ。

だが、いざ踏み込んでみると、かなり歩きづらかった。まずもって、水こそなかったが、溝がけっこう鋭角で深かった。溝から上がると、除草されているとはいえ、低木の幹が、至る所に突き出ていて、足をおろす場所を見つけながら進まなければならなかった。もっとも、丘の先端までは、ほんの二十メートルほどだ。苦労した、というほどでもない。

丘の先端には、なぜか、背丈ほどの木が三本、縦に並んで生えていた。これは、わざと切り残したようにも思われた。ということは、道路と牧場の柵との間の、この20平米ほどくらいの場所は、丘の下の灯台を見るために、誰かが整備したのではないのか?おそらくそうだろう。

また、先端部には、牧場と牧草地とを仕切る長い柵があり、そこから下は、きれいに刈り込まれた芝草の傾斜だ。その緑の傾斜が終わるところに灯台がある。したがって、柵越しに、灯台を見下ろす感じになる。言うまでもないことだが、灯台よりも高い位置取りなので、灯台が、背後の海を背負う形になる。この光景は、なかなか見られるものではない。

灯台よりも高い場所(塔とか展望台、山頂)から、灯台を見ると、これまでの経験によると、だいたいは灯台が小さすぎる。さもなければ、周囲の事物に邪魔されて、見えにくくなる。ところが、能取岬灯台は、違う。なにしろ、肉眼ではっきり見える距離だし、周囲には、空と海と牧草地しかないのだ。現地でこのベストなポジションを見つけた、ということも大きいが、大げさだが、感動していたといってもいい。ただし、だ。曇り空がいただけない。これだけの、いわば<絶景>だが、曇り空では写真にはならないのだ。

それに、今居る場所もベストではない。と、柵沿いに視線を右に移すと、丘の先端部と斜面を区切っている柵が、すぐそこで、開いている。これは、牧舎から馬たちを連れだし、斜面の牧草地へと放牧するための扉なのだろう。馬たちが、いやあるいは、牛かもしれないが、とにかく、彼らがいないのに、扉が開いているのは、ま、不自然だが、こちらにとっては、かなり都合がいい。すんなり、斜面の牧草地に入れるということだ。そここそが、まさに、字義通り、能取岬灯台のベストポジションだろう。

だが、今居る場所を動かなかった。お楽しみは明日だ。明日は午前中から晴れマークがついている。三脚を立てて、じっくり撮ろう。あたりが少し暗くなっていた。腕時計を見たのかもしれない、メモ書きには<16:00 引き上げ>とあった。

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